出版社内容情報
フェミニズム受容の歴史を俯瞰―維新以降の日本の思想史に多大な影響を与えた基本的翻訳文献を集成。第2弾「昭和初期編」。
●第2巻●収録作品
◆『婦人と家族制度』(アレクサンドラ・コロンタイ著、山川菊栄訳、叢文閣、1927)
資本主義のもとでの女性労働者の増加は家族の解体をもたらし、共産主義のもとではそれがさらに促進され、家事と育児の社会化によって家族は消滅すると主張している。アレクサンドラ・ミハイロヴナ・コロンタイ(Alexandra Mikhaylovna Kollontai 1872~1952)はロシアの政治家。帝政ロシアの女性労働者の悲惨な状況に衝撃を受け、マルクス主義の活動家として革命運動に参加した。1922年には中央の政治から追われて北欧などの大使をつとめた。
◆『婦人労働革命 経済の進化における婦人の労働』(アレクサンドラ・コロンタイ著、大竹博吉訳、内外社、1930)
原始社会からロシア革命直後までの女性労働の歴史。女性従属の起源を私有財産制の成立に求めるエンゲルスの説に反対し、生産技術の発達による性役割の変化がそれをもたらしたとみる。そして、革命による女性の生活の大変革と明るい展望を示している。
■本書の特色
・『世界女性学基礎文献集成・明治大正編』の第2弾。昭和初期のフェミニズムを中心とした外来思想受容史を俯瞰。
・維新以降に翻訳された女性学関係の単行本のなかで、日本の近代思想に影響を与えたものを精選。
・入手困難な貴重書を揃え、女性学の研究に貢献するであろう著作をラインナップした。
・思想界の状況をより正確に把握できるよう、反フェミニズム的な文献、欧米の現状を紹介したものも収録。