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内容説明
晴明不在の京に現れた、夜盗の影―そこには天狗の業と思しき痕跡が混ざっていた。調べにあたる陰陽寮の暦生、賀茂光榮に協力し、慶滋保胤は愛宕の天狗、小五郎の元へと出かける。一方の晴明邸ではその頃、帰りを待つ時継や貴年達の元に、不穏な気配が―。優れた道士の体を求める妖、鶴楽斎。その鶴楽斎に操られる天狗の猛丸。彼らの暗躍によって、保胤達の平穏な日々は一転、緊迫の事態を迎える!第七回電撃小説大賞“金賞”受賞シリーズ第五巻。四年に及ぶ沈黙を破り、今、ここに復活。
著者等紹介
渡瀬草一郎[ワタセソウイチロウ]
昭和53年横浜生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
49
慶滋保胤を主人公にした陰陽師シリーズの最終巻。すべての巻を楽しく満足して読み終えた。太鼓腹で狸親爺の安倍晴明に馴染むのに少し時間がかかった。賀茂光栄の中二病的無頼ぶりが可愛い。保胤は人間離れした技をもっている。彼は陰陽の道ではなく文章の道に進んで趣味のいいこじんまりとした邸宅を構えた人だけれど、このシリーズでは京のはずれの質素な住宅に柚子の精と暮らしている。伯家時継というもの凄い美女に一途に慕われているが一歩行動に出ることが出来ないままにシリーズが終わってしまった。伯家の家系にはまだ謎があるのに…2021/11/20
どぶねずみ
30
生きることへの執着が深すぎると、妖になって心を失ってまでも生きようとするものなのか? そう思うと、死ぬこともけじめの一つなのかもしれない。終わりがあるから、精一杯生きられる。生きて心を通わせる時間が決まっていることが、幸せだと思えてきた。この陰陽師の時代にどれくらいの妖が存在していたのだろうか。今のところ本書が最終巻だが、あとがきで続編を書きそうな雰囲気を漂わせていた。終わって欲しくない。2023/02/14
のほほん@灯れ松明の火
18
あぁ、ついに既刊されているのは、この巻でおしまいと思うと、とても淋しいです。 この巻もすごく 面白かったです!結局、誰も傷ついた人がいなかったというのでは。。。吉昌のように、素敵な置き土産をプレゼントされた子までいて。 最後の時継と天一がお酒を酌み交わすところが、大好きです。 本当に優しい・優しいお話でした。 是非とも 続きが読みたいです!! 2010/11/17
Richard Thornburg
12
感想:★★★★ シリーズ第5弾! 今回は晴明サンの嫁サンという設定の梨花サンと時継がメインに据えられています。 晴明サンの出る幕はなく、保胤の登場も少なめでした。 しかし本作ではなんと晴明サンの師匠である忠行登場!!! 御大はかなりお年を召されているのですが、術のキレは健在のようでカッコよかったな。 妖になって人の心を忘れても生き続けようとする外法師に問うた時継の言葉は、当たり前すぎるけど深い! でも、そんなことさえ気づかずスマホを弄り続けている人ばっかりの現実社会を見ると幻滅しますね(笑)2016/03/01
miroku
12
良い。しみじみと…良い。心に沁み入る物語。2013/05/11