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出版社内容情報
電撃初の陰陽師ストーリー! 時は平安、家業の陰陽道ではなくあえて文章道の道選んだ青年・慶滋保胤のもとに一人の男が訪れた。男の名は安倍晴明――いわずと知れた天才陰陽師である。 晴明は近頃都の現れたある外法師について調査を依頼しに来たのだったが、裏に別の思惑を持っていた。すなわち、天賦の才を発揮する保胤を再び陰陽道に引き戻すこと。そして晴明の思惑通り、保胤は外法師を巡る争いに巻き込まれ、そしてその果てに見たものは……! 平安時代に実在した慶滋保胤を主、安倍晴明を脇に据えた異色作、登場! 第7回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞作品
内容説明
時は平安。陰陽道の名門に生まれたにも関わらず、家業である陰陽道を捨て、文章道を選んだ一人の青年がいた。青年の名は慶滋保胤。保胤は大陰陽師・安倍晴明の依頼に応じて近頃都に現れた外法師の素性を調べ始める。だが、それはとてつもない怨念と呪いが渦巻く事件へ保胤を導くきっかけに過ぎなかった…!魑魅魍魎がうごめく平安時代の闇―。いま、闇から滴る魔が世界を狂わせ始める…。第七回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞作、登場。
著者等紹介
渡瀬草一郎[ワタセソウイチロウ]
昭和53年型横浜製。大学在籍中に就職浪人が確定し、その怨みを晴らすように書いた『陰陽ノ京』(『平安京八卦』改題)で第7回電撃ゲーム小説大賞(金賞)を受賞。作家道へと進み始める。現在、受賞第一作を火を噴く勢いで執筆中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
33
分野で言うと歴史ファンタジー。あの安倍晴明も登場する陰陽道の話だ。20年ほど前にNHKドラマで安倍晴明主役の『陰陽師』を見ているが、そもそも陰陽道って何?というところからお復習した。安倍氏、加茂氏と言うと、陰陽道の宗家であり、平安時代の国家に雇われていた天文学を駆使した占い師と言ったところか。お札を使って鬼(となってしまった者)を殺めるところなど、人道的、道徳的にも考えさせられる話だった。そして本書は4巻まで続くようなので、ゆっくりペースで少しずつ砕いて読んでいこう。2022/10/07
藤月はな(灯れ松明の火)
29
誰よりも優しく、敵対するものにも慈悲を与えるが大切な者を傷つけようとする者には己の心を偽りなく、伝える慶滋保胤の心に胸を打たれます。死後も強い恨みのために業に囚わ続ける呪詛や命を弄ぶ者に戦慄しつつも時継との恋や周りの優しさに救われます。「絶対な解決が叶わないなら自分ができることをすればいい」という言葉は勇気を与えてくれます。そして安倍晴明がのらくりとした狸親父だというイメージにちょっと驚いています(笑)これがデビュー作とはすごいですね。2011/09/07
miroku
25
ちょっと獏ちゃんぽいのが気になるが、実に面白い♪ 保胤の文人としての側面をもう少し語ってくれると嬉しい。2013/01/22
トミーリョ
23
陰陽師ものでは主人公の凄さを強調するために、他のキャラが引き立て役として損な役回りをすることがままあるが、本作ではどのキャラも優秀なプロフェッショナルとして描かれている点がまず素晴らしい。その上で陰陽師同士の連携を描き、どの登場人物にも見せ場を用意しているのが実に上手い。軽すぎず古臭すぎない、雰囲気と読みやすさを両立した文体も巧み。惜しい点は、敵妖術師が伝奇時代小説では定番のいらんことしい系くそじじいなのだが、いまいち変態度不足で小物感ぐらい。山田風太郎程とは言わずとも、もっと外道ぷりを見せてほしかった。2013/06/02
玲@灯れ松明の火
22
図書館で何気に手に取ってみたら陰陽師の本で、これは読まねば!と思い読み始めたらハマってしまいました。勿論、かの有名な安部晴明は出てきますが、本編では脇役。主人公は晴明の兄弟子の息子(次男)慶滋(賀茂)保胤が主人公。実在した人物らしいです。保胤の慈悲深い性格が良いですね。本当にライノベと言ってしまうのは申し訳ないくらいの作品。続きも読みます。2013/09/22