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内容説明
総主教が殺された戦勝祝典より十日後。クリスはミネルヴァとお互いに傷ついた身体を看病しながら、自分の烙印の力について改めて考えていた。クリスは今まで戦う理由を誰かに預けてきたが、“ミネルヴァを護るために”と自らの意志を自覚し始める。そんな時、フランチェスカは次の総主教を決める密議へ参加するため、銀卵騎士団をパオラたちに任せ、ジルベルトだけを伴ってプリンキノポリへ戻る。その隙に現れた次なる敵、王配侯ルキウスの攻撃が連合軍を猛追する!徐々に明かされていく刻印の謎、テュケーの恩寵―世界を揺るがす「神の力」が顕現する緊迫の第5弾。
著者等紹介
杉井光[スギイヒカル]
1978年東京生まれ。『火目の巫女』で第12回電撃大賞“銀賞”を受賞、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
22
北方の帝国アンゴーラが動き始めた中、コンクラーベに赴くフラン不在のまま王配侯ルキウスと対するパオラたち、クルス抹殺を止めるために聖巡を企てるシルヴィアたち。いくつも話が同時進行し、刻印の力が徐々に明らかになっていく中、誰もが苦しく重い展開でした。ミネルヴァとクリスはお互い分かちがたい存在と認識しているのに、引き起こされる惨禍に近くにいない方がいいとか苦悩する状況。大切な想い人を救うテュケーの力が凄まじかったですが、思惑が複雑に入り乱れる中、シルヴィアたち含めどうにか光明を見出せる展開になって欲しいですね。2014/06/18
晦夢
5
銀卵騎士団の面々はバラバラになってくね。今回はどちらかというとジュリオ側がメイン。少しずつ明かされていく刻印の謎と姉妹の力。2014/01/13
刻猫
4
想いが絡み合って、泥濘に沈んでいくような感覚。神々が目覚めはじめて、真の力が発現する。人の目的と神の目的、クリスとミネルヴァ、ジュリオとシルヴィア、それぞれの辿る道に立ち塞がるものを、越えていけると良い。2012/06/15
かみかみ
4
評価:★★★★ クリスに喰われる未来を予見してしまうミネルヴァと、ミネルヴァを護りたいという意志を強く自覚するクリス。獣の烙印が二人の相容れない葛藤を生み出す。この重量感にどこか切なさを感じるが、同時に惹きつけられる。北のアンゴーラ帝国もこの動乱に参戦。女帝はいわゆるロリババアってやつか。若さの秘訣がえげつない。2011/11/22
Mu@芒羊會
4
嵐の前の静けさ的な巻。世界観のさらなる説明と、いろんな者たちの思惑と、そして第三の勢力の登場。ますます物語が重層的になってきた。王道ファンタジーであると共に戦記物としての面白さもどんどん増してきた。さて、今回はどっちかというとジュリオの巻だった気がする。だってあいかわらずクリスとミネルヴァはぐだぐだだもんなあ(笑)いくつもの出来事が同時進行している中で、物語はどこへ向かっていくのか?ますます楽しみになった。2011/08/21