内容説明
真治と鳴海の夫婦は、ちいさな港町に住んでいる。亭主関白ぶって浮気する真治、気づかないふりで黙っている鳴海。だが真治が、3日間の行方不明ののち、まったく別の人格になって帰ってきた。脳の障害―医師はそう言うが、子どものように素直で、「真ちゃん」と呼ばせてくれる新しい真治と、鳴海はやりなおそうと思った。だが静かに、町は変容していく。“侵略者”が、散歩しているから。地球侵略会議はファミレスで。鳴海と真治の夫婦、そして侵略者の物語。
著者等紹介
前川知大[マエカワトモヒロ]
1974年、新潟県生まれ。「イキウメ」の座付作家・演出家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らすかる
22
題名から何となくホラーよりなSF作品なのかと思ってた。読み終わった今は破綻した夫婦の再生と愛のものがたりだったと思う。だらだらとした説明のないあっさりした文体と軽快なセリフで世界に入りやすかった。全体的にいえば肩透かしくらった感もあるけれど、面白かった( ˆωˆ )2018/03/05
カラシニコフ
17
映画の方は観ていた。だいぶ黒沢清が脚色してるんだろうなー、と思ってたら、案外この原作通りだったのでビビった。元々は舞台らしいので、むしろ舞台と映画を比較するのが正しいのかな?ともあれ、概念を奪う、という侵略方法はある意味すごく理に適っていると思う。日常的で、なんか不気味だった。 ★★★☆☆2018/11/03
魚京童!
10
ま、最初はこんなもんでしょ。2015/04/23
冬佳彰
8
映画を観て、なんだか釈然としない感じを片付けるために読了。うん、こっちのほうが分かるなあ。無駄なアクションシーンとか、ちゃちなCGとか不要だし。ああ、途中で気になったのは、語り手がコロコロ変わり、誰のモノローグか判別しにくくなるところ。演出家としての特性によるものなのか?それでも十分楽しめた。2019/07/21
焼きそばん
8
何とも不思議な感じです。宇宙人ものですが、派手な展開はなくて、主人公のこの奇妙な現実をどの様に受け止めるか?に焦点が有ります。wowowでドラマ化されるようですが、なぜこれを?と言う感想です。2017/08/13