内容説明
〈霊〉と〈性〉の深層のダイナミズム。記紀以前のカミの発生、性的存在としての采女の意味、苦しむ神の中世的変容、大嘗祭の空虚な中心、漂泊する廃王、女装する天皇などを通して、神と王権の不可視の深層を独創的な視点から解明した力作論集。
目次
日本の神の発生―古代のタマとカラ
祟り神と始祖神―神と祀りの発生と制度
神仏関係の中世的変容―〈権/実〉パラダイムの成立と反転
苦しむ神/苦しむ人―再生する祟り神
肉食と蛇身―中世神祇世界の相貌
秘儀としての王権―柳田国男と大嘗祭
王権の儀礼と構造―大嘗祭における〈中心〉と〈周縁〉
狂気と好色をめぐる物語―花山上皇の西国巡礼創始譚
近代王権の変身過程―〈童形〉〈女装〉〈男装〉の三類型