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内容説明
「変わってねぇなあ」イアルの都でフェイロンはそう呟いた。十七歳の時に家出をして以来、六年ぶりの帰郷だった。彼は説教好きで強引な性格の兄、オルジェイにむりやり政略結婚させられそうになって家を出ていたのだ。「わぁ。人がいっぱいいるよ」目をしばたたかせる息子のユンファに笑いかけながら、フェイロンは兄がどんなに怒るか想像して苦笑いを浮かべた。結婚を嫌がっていたのに、子供まで連れて帰ってきたのだから。だが、どうしても帰ってこなければならなかった。イアルに大いなる災いが訪れようとしていたのだ―。騒ぎを引き寄せる男、フェイロンが巻き起こす、嵐の大冒険。