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内容説明
「おにーちゃんっおにーちゃんっおにーちゃんっおにーちゃんっおにーちゃんっ」―負けるもんか。シャノンは思った。惰眠を貪れる唯一の土曜日。この程度のことで屈するわけにはいかないのだ。しかし、歯をくいしばって耐えている時点で、既に目的と手段が入れ替わっているのだが―。「だらあああぁぁぁぁぁっ」「あ。おにーちゃん、おきた、おきた」妹パシフィカ四歳、兄シャノン九歳。二人のばかばかしくも激しい闘いは、こんな頃から始まっていたのだった―。カスール三姉兄妹の子供時代を描く「星空に捧ぐ祝賛歌」ほか、キダーフが主役の「処女と殺人者の小夜曲」、ラクウェル姉が大暴れする「温泉狂想曲」の書き下ろし2本を含む初めての短編集、ついに登場。