内容説明
怪人、荒俣宏が“失われた博覧会”を求めて、フランス、イタリアそして日本を行く。
目次
第1部 衛生博覧会とは何か
第2部 衛生模型たちはどうつくられたか
第3部 見せる苦悩、見られる快楽
第4部 衛生博覧会へ行こう
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミツツ
27
まどろむ美女の体からのぞく臓器、本物の人体から作られた解剖標本や性病におかされた患部の模型。衛生思想啓蒙のためということですが、結局は好奇心ですよ!好奇心!2020/02/11
YO)))
9
これは荒俣先生グッジョブ,と言わねばなるまい.明治後半から昭和四十年代にかけて各地で開かれていた「衛生博覧会」なる催事の謎に迫る一冊. 解剖図譜や解剖蝋人形,見せ物小屋などの歴史を辿りながら,嘗て確かに存在し,多くの人々の耳目を集めた,奇妙にして魅力的な博覧会の成り立ちを紐解いていく. 写真や図版も豊富で,解剖され臓器や血管や筋肉を剥き出しにした人体,性病に冒された陰部,妊婦や胎児,畸形児,などなどのエロ・グロ・ビザールな模型・標本のオンパレードが,大変目に毒であった.2012/09/09
小林ミノリ
0
かつて確かに存在した、まぼろしの博覧会、衛生博覧会についての調査記録、名目の上では「衛生」の啓蒙を目的としていますが、その実、見世物小屋の流れを汲むエロスとグロテスクの祭典、現代の価値観では許容されない失われた文化の痕跡。