感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
可兒
2
内容のほとんどをしめるイスラーム政治は興味深い内容である。ただ自分が見たかったのは現実への適用例であり、その意味ではあまり勉強にならなかった2016/08/16
ドウ
1
要約しようがないくらい雑多な内容(ただ、書名とは異なり、イスラーム法とイスラーム教の政治的復興が主題と思われる)。ムスリム同胞団の思想的源泉としてのマナール派という一派の存在を知れたことが有益だった。しかし、現実を見た上でのもの(現実に基づいてはいない)とはいえ、全く実現に至らないような理想論についていくら筆を費やしても、果たしてそれが「地域研究」と言えるのか疑わしい。再読することはないだろう。2015/03/28
Kenji Suzuya
1
この分野の大物。世俗vs宗教という軸で政教を分離する西洋に対し、正当性vs権力という軸のもとにイスラームが国家に対して優位にあるという、いわば政教一元的な「イスラーム政治」を提唱している。しかしながら本書の分析はイスラームの宗教としての内容やその思想や法学などの制度や理屈の分析に終始するものであり、「現実にそれが行われているか」という実証的な視点は一切欠如している。最も実態の政治に関心が向けられる第13章でさえ、こじつけの議論が目立つ。これこそ空理空論であり、乗り越えるべきものである。2013/02/14