出版社内容情報
窒素収支(環境に対して供給される窒素量の収支)の改善は、人間の健康にかかわる重大な問題である。わが国の窒素収支と硝酸態窒素蓄積(窒素が環境の変化で、地下水に蓄積されたり、野菜などに給させたことなど)の現況と問題点、食料貿易自由化と窒素収支の悪化との関係、循環型農業の推進方策と課題について考えた。
はしがき
1.我が国の窒素収支と硝酸態窒素の問題
(1)我が国の窒素収支―適正量の2倍近い過剰
(2)硝酸態窒素の蓄積と健康への不安
2.食料貿易自由化と窒素収支の悪化
(1)避けられない自由化の波
(2)関税削減と窒素収支との関係―北東アジアFTAによる試算
3.循環型農業の推進方策と課題
(1)飼料自給度の向上のためのインセンティブ設計
(2)畜産廃棄物の堆肥化推進のインセンティブ設計
(3)食費残滓(生ごみ)の農業利用の経済性と課題―米国の経験を中心に
(4)多様なアプローチを許容する施策の柔軟性―「カブトムシ特区」の意義
目次
1 我が国の窒素収支と硝酸態窒素の問題(我が国の窒素収支;硝酸態窒素の蓄積と健康への不安)
2 食料貿易自由化と窒素収支の悪化(避けられない自由化の波;関税削減と窒素収支との関係―北東アジアFTAによる試算)
3 循環型農業推進の推進方策と課題(飼料自給度の向上のためのインセンティブ設計;畜産廃棄物の堆肥化推進のインセンティブ設計;食品残滓(生ゴミ)の農業利用の経済性と課題―米国の経験を中心に ほか)
著者等紹介
鈴木宣弘[スズキノブヒロ]
九州大学農学研究院兼アジア総合政策センター教授。1958年三重県生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒業後、農林水産省入省、経済局国際企画課、農業総合研究所研究交流科長等を経て現職。夏期(7~8月)は米国コーネル大学客員教授も務める。日韓FTA(自由貿易協定)及び日チリFTAの産官学共同研究会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。