出版社内容情報
2歳からの読書、優秀児を育てるために四六時中、胎児への読み聞かせ、小学生が方程式を解けると大宣伝している公文。その優秀児の10年後の追跡調査、教室の指導者たちの証言。幼児からのインプット漬けで、子どもはほんとうに賢くなるのか?
プロローグ-早期教育は“危ない橋”わたり
不安な母親に早期教育という妖怪がとりつく
乳幼児から順位と競争の“危ない橋”をわたる
21世紀の日本の企業では“偏差値秀才”はいらない
「1」-公文式という名の子育て脅迫状
NHKスペシャルの早期教育の映像をどう見たか
“手遅れになる”と母親を脅かし、不安にする
幼い頭脳は注入づけ、それを“インプット記録”にメモする
ゼロ歳児で一日4時間半、一歳台で五時間のインプットがされると
「2」-インプット漬けにされた子どもたちの異変
一歳から文字を覚えたA君や、ビデオで育ったB君にどんな異変が…
早くから文字をインプットされた子は、パターン行動をとる
遊べないF君の五感を刺激して、“からだが語ることば”をとりもどす
J君は、路上のミミズをみて、「L」「つ」と読んでしまう
早期教育の恐ろしさは“指示待ち症候群”をつくりこと、という
公文の六歳「優秀児」は“ぼくはまだ若いので”と作文に書く
「3」-早期教育ブームに揺れる母親たち
高学歴の母親たちが子育てのなかで孤立して
早期教育のシャワーを浴びた子の将来は、もうわかっている…
早期教育論争に寄けてきた
公文の指導者をやめて、地域の子育てを語る場をつくりたい
「6」-会長・公文公氏の教育理念なしの商売
17歳のとき、私は初期の公文数学研究会のアルバイト生だった
早期教育への進出は会員数の頭打ちからはじまった
胎教の成果で「子どもが泣かなくなった」という公文教育研究会の会長・公文公氏とは?
早期教育の弊害はないと言う、そのリスクに眼を向けない
女性指導者の心をつかみ、その気にさせる公文氏のテクニックとは?
「7」-指導者の犠牲で成り立つ公文式経営
教祖が率いる忠誠心競争の世界、その経営ぶり
試行錯誤中の幼児教育にはまだ指導理念もない
公文ドリームの頂点に立つ人は夢を見る暇もない
「8」-公文“優秀児”のその後-追跡調査
早期教育への警告がありながら、二歳読書が宣伝される
十年後の「優秀児」たちは、いま、どうしている?
公文は遠い過去の記憶-普通の子とかわらない
私にとって公文は神だった。現在では公文熱はさめている
こんどは新生児に音とことばでインプットする“人体実験”の結果は?
エピローグ-子ども激減で学校は大転換
子ども激減期を迎えて、学校も教育業界も大
目次
プロローグ 早期教育は“危ない橋”わたり
1 公文式という名の子育て脅迫状
2 インプット漬けにされた子どもたちの異変
3 早期教育ブームに揺れる母親たち
4 早期教育の渦中でほんろうされる親子
5 悩みゆれうごく教室の指導者たち
6 会長・公文公氏の教育理念なしの商売
7 指導者の犠牲で成り立つ公文式経営
8 公文“優秀児”のその後―追跡調査
エピローグ 子ども激減で学校は大転換