内容説明
ここには昭和14年戦時下からの著者の人生の、“宗教と政治と文学”の、思想と生活がある。その中心をなすものは、「国家」とは何かという問題であった。昭和39年埴谷雄高らの『近代文学』終刊、それに続く『犀』以来、その生涯の終わりまで著者は埴谷雄高氏と共に歩いた。そこから生まれたのが、この一書である。
目次
第1章 『死霊』自序
第2章 『死霊』の世界(癲狂院にて;“中世の夜”―「異端」と「錬金術」と)
第3章 『死霊』中断時代・27年(間奏語抄(ディアプサルマタ)
「ドストエフスキイ論考」論1―「プロとコントラ」(「大審問官」物語) ほか)
第4章 過誤の宇宙史
第5章 “虚体”論―大宇宙の夢(幻視の視点;夢魔の世界(詩的言語革命) ほか)