内容説明
1980年代半ば、若き日の「新中国」への思いを断ち切れずにいた著者は、三人の子供がひとり立ちすると、定年を待たず高校教師を退いて中国に渡った。それから5年間、広州、北京を遊歴し、北京では6.4天安門事件前後の1年半、天安門近くの四合院で老百姓(中国語で庶民の意)とともに暮らした。前半は、こうした中国体験を通じて綴ったエッセイを収録。後半は、晩年「ボケ」の進行との格闘の中で、軍国主義教育下での中国との出会いや自らの人間形成を回想した文章を収録する。
目次
老百姓、再び!(中国文化の矛盾―漢字のこと;「牀前、月光明らかなり」;二年ぶりの北京―鍵 ほか)
夷客回想録(幼稚園の友;小学一年の写真;祖父母と父母 ほか)
夷客往来記(ボケと付き合う;会津弁と疎開者;イとエ ほか)
著者等紹介
手代木公助[テシロギコウスケ]
1931年、福島県喜多方市に生まれる。55年、東京大学文学部卒業。58年、東京大学人文科学研究科修士課程修了。58年から59年まで、近代中国研究委員会研究員(日中関係史)、59年から86年まで、私立、公立の高校に勤務。86年から91年まで、広州、北京に遊歴。この間、広州外国語学院、華南師範大学、北方工業大学等に勤務。94年から2010年まで、日中友好協会理事を務める。2015年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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