内容説明
さまざまな言語と格闘し時代に翻弄され、体制に利用され、そして禁圧されながらも生き抜いてきた台湾文学の根源と発展をたどる著者渾身の台湾文学研究書!
目次
1 台湾における頼和と魯迅、そして高一生(日本人の印象のなかの台湾人作家・頼和;虚構・翻訳そして民族―魯迅「藤野先生」と頼和「高木友枝先生」;文学から台湾の近代化をみる―頼和そして高一生;戦後初期台湾文壇と魯迅;戦前日本における魯迅の翻訳と戦後初期台湾)
2 台湾人「内地」留学生たちの文学―『フォルモサ』(台湾芸術研究会の結成―『フォルモサ』の創刊まで;台湾芸術研究会の解体―台湾文芸聯盟への合流から終焉まで;台湾人詩人呉坤煌の東京時代(一九二九年‐一九三八年)―朝鮮人演劇活動家金斗鎔や日本人劇作家秋田雨雀との交流をめぐって
フォルモサは僕らの夢だった―台湾人作家の筆者宛書信から垣間見る日本語文学観とその苦悩)
3 日本語文学―純文学と「大衆文学」(戦前期台湾文学の風景の変遷―試論龍瑛宗の「パパイヤのある街」;龍瑛宗「宵月」について―『文芸首都』同人、金史良の手紙から;龍瑛宗先生の文学風景―絶望と希望;台湾大衆文学の成立をめぐって;「外地」における「大衆文学」の可能性―台湾文学の視点から;佐藤春夫の台湾―日月潭と霧社で出会ったサオ族とセデック族のいま)
著者等紹介
下村作次郎[シモムラサクジロウ]
1949年和歌山県新宮市生まれ。関西大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現任、天理大学名誉教授。1980年8月から2年間、中国文化大学交換教授。2000年9月から半年間、国立成功大学台湾文学研究所客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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