内容説明
元アメリカ陸軍レンジャー部隊隊員のタッカー・ウェインと、相棒の軍用犬ケインは、ロシアのウラジオストクに滞在中、シグマフォースのペインター・クロウ司令官から連絡を受ける。ペインターの要請は、ロシア製薬業界の大物アブラム・ブコロフの出国を手引きすること。だが、簡単に思えたこの依頼のせいで、タッカーとケインはシベリアからヴォルガ川までロシアを横断する間、執拗に敵から追われることになる。ブコロフ、その娘のアーニャ、研究助手のウトキンとともに逃避行を続けるタッカーとケインは、「アルザマス16の将軍たち」が差し向けた追っ手だけでなく、仲間内の裏切り者の影も警戒しなければならなかった。敵が躍起になって手に入れようとするブコロフの大発見とは、いったい何なのか?
著者等紹介
ロリンズ,ジェームズ[ロリンズ,ジェームズ] [Rollins,James]
1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始めた
ブラックウッド,グラント[ブラックウッド,グラント] [Blackwood,Grant]
アリゾナ州在住。海軍を除隊後、作家活動を始める
桑田健[クワタタケシ]
1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
150
シグマフォースシリーズとまったく別物として読んでいいのではないかと思いました。主人公と犬が一体となっている感じがして犬好きの私にとってはたまらない感じです。ロシアから研究者を連れ出すところがこの上巻の中心です。傭兵にねらわれますが・・・。シグマフォースの日本語版最新刊でも犬が出てきて、著者は犬好きだということが分かります。続きも出るようですが、楽しみです。2017/02/07
absinthe
60
大好きなロリンズのサスペンス。タッカー&ケインの名コンビ。同著者のシグマフォースシリーズは複数キャラなので場面切り替えが速いが、本作ではタッカーとケインを追い続ける。ロリンズが従来から得意としていたパターンとは異なるが、この構成でも十分読ませる力量があることが証明された。シグマフォースの要請で要人警護+ロシアからの脱出。ボーア戦争時に偶然発見された種子?病原体?の謎を追う。上巻は逃亡劇が中心だったが、下巻で謎が明かされていくに違いない。今から楽しみ。2016/07/04
たち
39
シグマフォースシリーズを未読なので、比べることは出来ませんが、タッカー&ケイン、凄く良いですね!まるで犬を連れた007みたいで、タッカーのカッコいいこと!はまりそうです。取り急ぎ下巻へ‼2018/02/02
トムトム
36
犬大好き!悲しくなるからアベルの話に触れると、読み飛ばします。何でも信じるアメリカ人。こういう本を読むと、今この瞬間にも人類滅亡の危機が起きていて、英雄がこっそりそれを阻止していると信じそう。2020/04/06
瀧ながれ
32
もとの「シグマフォース」はずいぶん前に少し読んだきりですが、わんこモノらしいので外伝に手を出した、おもしろかった!タッカーとその相棒の軍用犬ケインの、信頼という以上の一体感に惚れ惚れする。意志の疎通が完璧で、緊迫した状況のときでも自分の体がもうひとつあるような配置ができて、ケインが頼もしくてたまらない。≪「仲良しは誰だ?」ケインが身を乗り出し、鼻先をタッカーの鼻にくっつけた。≫、かわいい! 過酷な旅だが、目的地までどうか無事に、そしてタッカーとケインがゆっくりと眠れる夜が訪れますように、下巻も読みます。2016/07/26