内容説明
会議や発表の何日も前から不安でしかたない。人がいるところで電話を取るのが苦手。飲み会など人と食事をするときに極度に緊張する。社会不安障害と向き合う本人が語る体験談。
目次
第1章 社会不安障害ってどんな病気?(社会不安障害ってどんな病気?;社会不安障害の具体的な症状 ほか)
第2章 病気に翻弄された学生時代(社会不安障害を発症した小学生時代;症状が悪化した中学時代 ほか)
第3章 山あり谷ありの社会人生活(初めての会社はブラック企業;うつ病と引きこもり生活 ほか)
第4章 精神科医療の問題点と病院・治療法の選び方(知識不足、経験不足の医師が増えている;病院の選び方 ほか)
著者等紹介
伊藤やす[イトウヤス]
東京都出身。専修大学経済学部卒業。小学生で社会不安障害を発症。闘病しながら普通科の高校に進学し大学を卒業する。卒業後はアルバイトやメーカー、商社などで勤務。民間企業で働いている際にうつ病を併発。会社員をしながら、患者目線で社会不安障害やうつ病、精神科医療、福祉、行政などメンタルヘルスに関わる様々な問題について研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソルティ
131
ツイッターで知り合った伊藤やすさんの著書。初めて聞く病名、うつ病と発生機序や治療法が同じなのにうつとは違う、この病気のための生きづらさ、学校が大変、就職ができない、周りの理解がない、医師も病気について知らない、思いやりの少ない現代社会⋯考えることの多い本でした。「ビジネスを効率よく進めていくために必要なコミュニケーション能力とは、「表現力」「理解力」「問題解決能力」の3つを指すのだと思います。」「難しいことかも知れませんが、「ただ人よりも苦手なことが自分にはあるだけなんだ」とは思えないでしょうか。」2018/10/14
真香@ゆるゆるペース
113
人前で何かをするのが怖い「社会不安障害(SAD)」。自分も人前がとにかくダメで、過度な緊張感に苦しむことが昔からあり、もしかしたらこれなのかも?と思い、読んでみた。著者のような重度ではないものの、当てはまることが散見され、胸にストンと落ちる感覚が。著者は、小学生の頃に発症。周りの無理解や情報の少なさに病気に翻弄され続けた人生を歩み、今も症状が出ないよう無理はできない日々を送っている。誰でもなる可能性がある疾患なので、これからもっと認知度が上がって、理解がある社会になっていったら良いなと思う。2019/12/06
馨
41
帯の言葉を見た瞬間、自分のことかと思ってしまいました。私も、仕事・プライベート、プレッシャーになることでも楽しみなことでも、そのイベントがある数日前から緊張して当日になるまで体調不良になったりすることが学生時代からあり、ただの心配性かと思っていたのですが社会不安障害という言葉があることを知って自分だけじゃないとわかり安心しました。ハリウッドの有名女優さんたちも経験者がいるということで、やはり自分に自身を持てた時に克服できるのかと思いました。2017/09/03
けい
7
社会不安障害は、人前でスピーチや電話などの社会的活動で極度に緊張してしまう精神疾患のようです。社会不安障害を持つ著者が、これまでの経験を語った本で現状の社会の対応や生きづらさがわかった。比較的文にも感情がこもっていて、患者の気持ちもわかりやすく、読みやすい文章だった。登場人物の中に、他の精神疾患を持っているだろう人物も考察されて、複雑に絡み合ってるだろうなと思った。2017/09/02
き
6
著者の体験談が内容の大半を占めるが、読んで非常に良かったと思う。社会不安障害がどの様な疾患なのかよく理解できた。精神疾患を患う人達の就職が如何に大変かなどもよく分かる。私は精神的な病気になって11年ほど経つが、ここ2年で大きく改善している。それは、自分の中で病気を良くしたいと明確に思ったことが重要だと思う。病気を良くしたいと強く思わない限りはどうにもならない。精神療法も私には効果がある。自分がなぜ他の人の様に上手く出来ないのか、悲観ばかりしていないで、周りの協力を得て治していく努力が必要。2017/09/15