内容説明
フランクル心理学の全体像をはじめて正しくかつわかりやすく説くと共に、自己発見や癒しにどう使い、学校現場や企業でどう使えるかを説いた恰好の入門書。
目次
第1部 入物篇(フランクルってどんな人)
第2部 自己発見篇(フランクル心理学で「生きる意味」を発見する;ライフサイクルの諸問題とフランクル心理学)
第3部 原理篇(フランクルの人間観)
第4部 臨床篇(カウンセリング・心理療法としてのフランクル心理学)
第5部 資料篇(主要著作とその概要;フランクル心理学の批判とその修正)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tai
9
人間は「人生から問いかけられている存在」であるという強い「救いの論理」。「人間を超えた向こう」から送られてくる生きる意味は「あらゆる人間の足下に常に既に届けられている」という内在即超越になる。マズローの自己実現を超える自己超越は彼も認めたという。遺伝、衝動、環境に対して人間はある態度を取り得る力がある。未来はまだ無く過去も無い。しかし時が過ぎる中で達成したものは固定化され永遠に残る。人生からの問いに答え、使命を持つという感情を持てば宿命的と映る時代の力に反抗することもできる。過去を肯定するまなざしがある。2020/03/29
riviere(りびえーる)
5
フランクルについてわかりやすく書かれています。彼の生涯、人間観、彼が用いたロゴセラピーについて、彼の主要著作について…項目別に整理されているので、タイトルどおり”入門”という言葉がピッタリです。次に読むべき彼の著作が何なのかもわかってとても助かりました。2012/03/18
黒頭巾ちゃん
4
フランクルの生い立ち、その思想、そして臨床談などが体系的に書かれています。巻末には未邦訳を含めたフランクルの書籍を紹介しています。フランクルを勉強したい方は必読ですね!体験・態度・経験価値についての記述はもちろん、宇宙や感情の捉え方も図で説明してくれています。2013/11/28
こりん
3
どんな時も、人生には「なすべきこと」「実現すべき意味」が必ずあって、発見され実現されるのを待っている。それを探すための指標として、「創造価値」「体験価値」「態度価値」の3つの領域に区分される。 「創造価値」自分に与えられた仕事においてどれだけ最善をつくしているか。仕事が私になされるのを待っている。「体験価値」世界から何かを受けとることによって実現される価値。「態度価値」人生に対しててどんな態度をとるか。その運命をどう引き受け、どう人生を創っていくか。そこで取る態度によって実現される価値。2019/01/07
905
2
著者のフランクル入門書は他にもあるが、体系的に解説した本書はそれらの中でもわかりやすく感じた。特に、付論の滝沢克己とフランクルの関係は、我が意を得たりという点と、認識を新たにした点ともども非常に興味深く読めた。2011/04/23