美女とは何か―日中美人の文化史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 464,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794965004
  • NDC分類 920.2
  • Cコード C0070

内容説明

古来、美女は世の憧れを誘い、人の心を癒す一方で、男の運命を狂わす悪女であり、亡国の元凶であり、薄幸・世の移ろいのたとえであった。狐も蛇も幽霊も、かならず美しい女に化けて出てくるのはどうしたわけか―。文化によって時代によって、美人観は大きく変化する。文学や絵画のなかで美人はどのように描かれたか。イメージはいかにつくられ、実社会で機能したのだろうか。楊貴妃・遊女・明治令嬢コンクール・ガングロ…日本と中国の歴史を行きかい、異文化交流のはざまに、美女という謎をダイナミックに追いめぐる。東アジアにおける美人幻想をめぐる比較文化研究の決定版誕生。

目次

プロローグ 美女とは何か
第1章 好まれた美貌
第2章 恐れられた美女
第3章 図像の修辞法
第4章 詩のなかの美女、絵のなかの美女
第5章 作り出された美貌
第6章 漢詩文のなかの美人、和文のなかの美人
第7章 審美観の交響
第8章 江戸文化のフィルター
第9章 ナオミが誕生するまで
エピローグ ガングロの啓示

著者等紹介

張競[チョウキョウ]
1953年、上海市生まれ。華東師範大学助手をへて日本留学。東京大学大学院総合文化研究科比較文化博士課程修了。現在、明治大学教授。『恋の中国文明史』で読売文学賞、『近代中国と「恋愛」の発見』でサントリー学芸賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へんかんへん

5
良書 美しさと権力の関係こうまで関係が深いのかと価値についての俯瞰の視点2016/12/27

有理数

5
授業の参考文献に。文学への言及がよかった。2014/06/07

ヴィクトリー

2
日中において、美人が文学や絵画でどのように描かれてきたか、が書かれた本。興味深かったのは、中国では白い歯が「皓歯」として美女を表す決まり文句になっていたのに対して、日本では白い歯が美しいと見なされる事はなく、むしろ黒い歯の方が良しとされていたようである。しかし、お歯黒はともかく虫歯で黒くなったのまでかわいい等と言うのはもはや病的な気がする。現代でも日本人が八重歯をかわいいと思うのが、白く歯並びのよいのを良しとする海外では理解され難いのとどこか通じる物があるのかもしれない。2012/04/27

in medio tutissimus ibis.

1
美は普遍的基準を持たず、ただそれぞれの文化の中での富貴善聖や伝統的文化への距離によって見出されるものであり、それは支配的文化の広さがこれまでになく広がった今日も変わらない。従って、美人の相とされる諸々の特徴は、一つの文化の中でも地域や時代を通して一定ではない。また、それは、時に一人の人間の手になるものであってさえ、表現方法(詩歌や絵画、漢文と王朝文学など)によって踏まえるべき形式が異なるために異なりうる。また、美そのものの吉兆さえ、基準となる伝統文化の変化の前では変わり得るし、基準とは必ずしも一つではない2019/02/13

0
何故絵をもとにしてるのか。中国の絵は知らないが、日本の人物画はわざと特徴を排しているので比較するには向かない。引目鉤鼻とかあれは記号と同じ役割。そもそも写実画ではないし。

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/428320
  • ご注意事項

最近チェックした商品