内容説明
フランス・ルネサンス期に生き、宗教戦争のただなかで死んだ陶工パリシー。彼はまた、時代を先駆けた科学者でもあった。魚の化石すらどこかの匠がつくって捨てたものだと考えられていたこのころ。パリシーは、土、木々、石ころ、森の動物、海辺の貝などあらゆるものを観察し、自然のしくみとはたらきを読みとってゆく。未来を見とおした樹木伐採、有効な堆肥のほどこしかた、土壌・農耕・森林・生物・鉱物の基礎知識、「詩篇」にもとづく理想の庭園、新教教会の興り…。問答形式で生きいきとつづられるルネサンスの知恵の息吹。A・フランス、ヴァレリー、バシュラール、ガスカール、渡辺一夫ら第一級の文学者に愛されてきたパリシーの著作を初紹介。その思想と人柄を伝えるチャーミングな古典。
目次
1 自然のしくみ
2 理想の庭園
3 痴愚さまざま
4 新教徒としての証言
5 城砦都市について