内容説明
19世紀末、植民地戦争に揺れうごく北アフリカ。エベラールは西欧社会に背を向け、男装して、ひとりサハラ砂漠の奥深く入りこむ。遊牧民とともにするテント生活。アラブ青年兵士との熱烈な恋。そして、洪水による突然の死。伝説の女性作家が、イスラム社会と北アフリカの雄大な自然をつぶさにとらえ、緊張感あふれる文体に結晶させた紀行文学の傑作。
目次
エベラール・ノート
放浪
南部への帰還
感想・レビュー
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lain
2
19世紀末から20世紀初頭にかけて、当時の北西アフリカ諸国(マグレブ)を旅した女性の記録。当時のイスラム社会の情勢を知ることができる貴重な書籍。ただ、旅行記なので全体的な物語などがなくまとまりがないことと、少し文章が読みづらく感じてしまったので、最後まで読み切るのに骨が折れた。当時、若いヨーロッパ女性がアフリカを旅し、イスラム社会に分け入ること自体異例なことであるし、「伝説の作家」と謳われた彼女の日本語訳の書籍はほぼこれ一冊のみなので、希少性は高い。2023/01/22
nranjen
1
訳文チェックのため図書館から借りる。19世紀にこのような冒険に乗り出した女性がいたなんて、驚きである。2022/03/28