内容説明
せっかく買った本をなぜ読まないのか。いくたび自問してもなかなか確実な答は出てこない。なぜ本を手に入れて読もうとするのか、そもそもなぜ本なのか?それでもなお憑かれたように読みふける。劇作家エルマー・ライスの書いた処女小説との邂逅、数十年をへて明らかになったピーター・イベットスンの正体―。本から本へ、奇書から名著へ、思いのままに渡り歩く日々。詩人・作家であり、稀代の読書家である著者が、本とめぐりあい、本を味わうことの真の愉しみを綴る。
目次
渡り歩き(幻灯機;ピュリリア;終り良ければ;月光とロザムンデ;「そんなに優雅に!」;事実と原形;レクイエム;裸馬と裸女;夢の領域;良識に逆らう;悪夢の効能;最終便)
箸休め(亡霊の消滅;五十年;犬の船頭;要らない;ミニ宗教論;メモ帳から;旅に病んで;追加)
雑談(あるインタビューから;毒蛇の袋)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
保山ひャン
2
岩田宏(小笠原豊樹)のエッセイ集。エリオット・ポール、エルマー・ライス、エルンスト・トラー、ゲオルク・カイザー、ソフィ・トレッドウェルといった僕にとって未知の作家、劇作家や、デスノス、マヤコフスキー、トロワイヤ、セルジュ・レジアニについて、また、ユーディット、ピーター・イベットスン(そしてスヴェンガリ)について。本に関するエッセイが主だが演劇についての言及が多かった。2017/04/01
Shun'ichiro AKIKUSA
1
本についての随筆集。2018/03/27
FK
1
何とも不思議な本だった。『百歳までの読書術』(津野海太郎 本の雑誌社 2015年)で知らなければ、お目に掛かることのなかった本だろう。何となくふわっと読んでしまった。そこに紹介されていることは、もう今ほとんど頭に残っていない。読んでいる瞬間の快感があれば、それでいいのだろう。読書というのは。ましてもう勉強のためでもないのだし。/せっかく買った本を、なぜ読まないのか。読むあてもない本を、どうして私蔵(死蔵)するのか。(中略)なぜあくせく本を読むのか。読まなくても構わないのではないのか。(P.6 幻灯機) 2015/11/11
koyasho
0
読んでいて楽しい。印象的な話ばかりだ。2014/09/30