ミーム・マシーンとしての私〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794209856
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0040

内容説明

なぜ、人間だけが文化をもつのか。高度な技術や言語、宗教は、なぜ存在するのか。それは人間にだけ、模倣の能力があるからだ。人間だけが何かを模倣することができる。ファッション、技術、イデオロギーなど、すべての文化は限りない模倣の連鎖の中で生まれ、死んでゆく。この単純な事実から、文化の本当の姿、自己意識の正体が解き明かされる。リチャード・ドーキンスによって提唱された、文化の遺伝子“ミーム”の概念を深化させ、ダーウィニズムの手法を文化・文明の解明に適用した革命的文明論。

目次

1 奇妙な生き物
2 ミームとダーウィン主義
3 文化の進化
4 ミームの視点から見る
5 ミームをめぐる三つの問題
6 巨大な脳
7 言語の起源
8 ミーム‐遺伝子の共進化
9 社会生物学の限界

著者等紹介

ブラックモア,スーザン[Blackmore,Susan]
ウエスト・オブ・イングランド大学の心理学者。臨死体験や瞑想の心理学的、生理学的研究、超常現象体験の心理学、進化心理学、ミーム学を中心に活動している。インディペンデント紙をはじめ、雑誌などにコラムを寄稿しており、テレビやラジオへの出演も多い。邦訳されている著書に「生と死の境界」がある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fishdeleuze

20
ミームとは、模倣によって伝播される非遺伝子的な自己複製子(というより概念か)で、キャッチ―なポップソングのフレーズ、ファッション、しぐさや身振り、テクストなどがそうだ。上巻では、遺伝子との共進化、遺伝子による進化をアクセルレートするもの、そして言語の発達と脳との関係におけるミームの関与が示唆されている。ミームというのは、結局のところ、遺伝子が作り上げた脳が行っていることなので、それらがどのように文化的事象だけではなく、遺伝的にどのように関与しているのかの論考を下巻に期待する。2016/03/04

白義

17
人間は生物的な遺伝子の乗り物であるだけでなく、文化的な自己複製子=ミームの操り人形でもあるという本。ミームとは要するに、頭に残るメロディだの、料理のレシピだの、模倣で拡散するいろいろな文化の単位のことで、ミーム自身が自己を普及させようとした結果が人間の精神やら意志、文化に見えるものなのだとか。人間の主体性ではなくミームを文化変化の主役にする逆転の発想の魅力だけでなく、ミームという概念から言語の進化や脳の発達を説明する仮説を編み出し、遺伝子とミームの共進化モデルを考案しているのも面白い2014/11/20

茶幸才斎

6
10数年前にR.ドーキンス『利己的な遺伝子』紀伊国屋書店(1991)を読んだとき、もう一つの自己複製子「ミーム」という話にゾクゾクした。ミームは、人の行う模倣によって広がる文化的情報単位であり、筆者は、人の脳の巨大さも言語能力の獲得もミームの活動の所産だと熱く主張するが。。。んー、ミームは自己を自分で複製してる気がしないなぁ。動的に活動している気がしない。やっぱり脳が主体で複製してるんじゃないのか?フロギストン説のような胡散臭さが漂うが、乗り掛かった船、否、ヴィークルなので、このまま下巻に進むことにする。2010/11/18

いきもの

4
情報の自己組織化、あるいは自己複製子としてのミーム、その自然淘汰とダーウィニズムというアイディアはとても面白いのだけれども、遺伝子のアナロジーは危険と著者自身が言っているにもかかわらず、どうしてもそこへ立ち返ってしまっている感はあるし、正直実体のない存在なので掴みにくい。脳の進化や遺伝子との共進化は流石に無謀すぎた感はあるけれど、文化的側面での理論は面白そうなのでとりあえず下巻に期待。2015/10/25

マギカ鍋

4
「利己的遺伝子」で登場した情報遺伝子ともいえるミームについて考察する書。ミームを定義するとともに遺伝子と対比し、その特性から不完全ながらも第二の自己複製子の可能性を検証。また人との相互関係性と共進化性を唱えながらもミームの独立性を強調して人の種の存続とは別と暗示。様々な研究を見てると科学者であっても人の歴史がまるでミームに支配されてきたような結論には抵抗も感じてるように見える。遺伝子であれミームであれ、そこに意志が無かったとしても何かが複製され続けていくというだけで意味を持ち始める可能性は興味深く感じる。2012/12/15

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