内容説明
Facebook、Googleなどが描くバラ色の未来に異を唱え、ネット時代に失われつつある人間性を取り戻すために何ができるかを問う。
目次
シリコンヴァレーに生きる
第1部 ベスト・オブ・ラフ・タイプ(倫理のないウェブ2.0;マイスペースの空虚さ;セレンディピティを生み出す機械;カリフォルニアの王者たち;ウィキペディアンの分裂 ほか)
第2部 ツイートによる50のテーゼ
第3部 エッセイと批評(炎とフィラメント;グーグルでバカになる?;静寂を求めて叫ぶ;読者の夢;生命、自由及びプライバシーの追求 ほか)
著者等紹介
カー,ニコラス・G.[カー,ニコラスG.] [Carr,Nicholas G.]
著述家。「ガーディアン」紙などでコラムを連載するほか、多くの有力紙誌に論考を発表。テクノロジーを中心とした社会的、文化的、経済的問題を論じる
増子久美[マシコヒサミ]
早稲田大学卒業。雑誌等でさまざまな記事の翻訳に従事
菅野楽章[カンノトモアキ]
早稲田大学文化構想学部卒業。雑誌『WIRED』などで翻訳を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロア
27
相手に効率的なコミュニケーションを求めるのは「関係を支配したいという利己的な欲望」の反映だ。目的のないおしゃべりや必要のない社交辞令を重荷やコスト、貴重な時間の浪費としか考えなくなったとき、私たちは思いやりや寛大な心を持つ感覚を麻痺させるという危険を冒している。工場機械が一般に広まった当時のように、コンピュータの普及が、幅広い領域でやりがいのある高賃金の新しい仕事を生む保障はない。テクノロジーは私たちを解放もしなければ進ませも助けもしない。テクノロジーが私たちを気にかけることなどない。2017/02/15
阿部義彦
9
好きな青土社の本ですがニコラス・G・カーさんの考察もっともですがイマイチ訴えかけるものが無かったかな?ご説ごもっともでそこからの余韻が無いような。ユーモアが少ないので疲れました。自動車を自動運転させれば運転をする無駄な時間をスマホで消費させられる、イタチごっこの始まり。山本夏彦なら一言で「機械のあれば機事あり。」と言います。運転が好きな人もいるのに。グーグルミュージックのアクティビティとやらは余計なお節介だぞ!誰が「勉強」「まったりする」「仕事」だと!自分の聴く音楽くらい自分で選ぶわい!勉強にはなった。2017/01/15
GASHOW
8
2006年くらいのコラムを読むと10年前の時代の流れがわかる。過去のブログをとりあげている。森博嗣さんの随筆を読んでいるような感覚があった。この10年でウエブは加速した。セカンドライフがデータコピーによって頓挫したこと。ウエブに投稿することの危険性など。短い文章でも興味深いものが多かった。2017/07/04
メルセ・ひすい
8
「ググればわかる」じゃ、ダメな理由とは? Facebook、Googleなどが描くバラ色の未来に異を唱え、ネット時代に失われつつある人間性を取り戻すために何ができるかを問う。挑発的IT文化論。2017/03/04
スプリント
6
インターネット界隈の話題についての徒然エッセイ集ですね。話題が豊富で読んでいて楽しかったです。独特の言い回しがあるので原書でも読みたくなります。2017/01/29