内容説明
「遺伝子」という言葉ができてから百年。ゲノム解読の完了は、生命探究の終わりではなく、新たな始まりを告げた。DNAは決定因子ではなく、他の様々な因子との相互作用こそ重要とわかり、「遺伝子」を捨て去るべき時代が来つつある。気鋭の科学哲学者が遺伝学史を総括し、大きなターニングポイントとしての現在の課題を明確にする。
目次
序章 ある強力な言葉の伝記
第1章 静止と変化の原動力―遺伝学的な安定性の調節
第2章 遺伝子機能の意味―遺伝子は何を行うのか
第3章 遺伝プログラムの概念―生物体を作る方法
第4章 遺伝子分析の限界―発生経路を踏み外させないものは何か
結論 遺伝子は何のためのものか
著者等紹介
ケラー,エヴリン・フォックス[ケラー,エヴリンフォックス][Keller,Evelyn Fox]
1936年ニューヨーク生まれ。ハーヴァード大学で物理学の博士号を取得。現在、マサチューセッツ工科大学(MIT)科学史・科学哲学教授
長野敬[ナガノケイ]
生物学者。河合文化教育研究所主任研究員
赤松真紀[アカマツマキ]
自然科学系の翻訳に携わる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。