内容説明
伝統的反省理論からの解放、過去の思想遺産の多角的な問い直しを通じて、自己意識本来のはたらきである“生きられた知の根源的な差異化運動”を明るみに出し、意識そのものの謎にせまる。
目次
序論 自己意識の現象学の課題―反省理論からの解放
1 自己意識の現象学(生き生きした現在と根源的分裂;身体構成と自己意識の可能性―カントおよびフッサールの時間論の深淵から ほか)
2 自己意識論と現代の哲学(自己意識のアポリア―デュージング「自己意識の理念的発生史」の批判的紹介;“生の哲学”の自己意識論―ヨルクとディルタイにみられるその基本構想 ほか)
3 自己意識と自己言及性(現代芸術論と自己意識―音楽経験と自己意識;意識への計算論的アプローチ―認知科学における自己意識論 ほか)
4 大乗仏教の自己概念(「生き生きした現在」と述語的経験―現象学と東洋思想;唯識三性説と自己概念 ほか)
著者等紹介
新田義弘[ニッタヨシヒロ]
1929年生まれ。東北大学文学部(旧制)卒業。東洋大学名誉教授
河本英夫[カワモトヒデオ]
1953年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得満期退学。東洋大学文学部教授
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