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内容説明
アフリカ各地の「物語」をフィールドワークし、色・光・音・匂い・静寂・気配を描きながら、現実と歴史を多層化させ、世界の息遣いと知的可能性に大胆に迫る。気鋭の人類学者たちが拓く“芸術・映像人類学”の革新的かつ流麗にしてデモーニッシュな地平。写真多数収録。
目次
歌に震えて(川瀬慈)
太陽を喰う/夜を喰う(村津蘭)
あふりか!わんだふる!(ふくだぺろ)
バッファロー・ソルジャー・ラプソディー(矢野原佑史)
クレチェウの故郷(青木敬)
ハラールの残響(川瀬慈)
著者等紹介
川瀬慈[カワセイツシ]
1977年、岐阜県生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了後、マンチェスター大学グラナダ映像人類学センター研究員を経て、国立民族学博物館/総合研究大学院大学准教授。専門は映像人類学、民族誌映画。2001年より、アフリカ、主にエチオピア北部の地域社会で活動を行う吟遊詩人、楽師たちの人類学研究を行い、同時に人類学、シネマ、現代アートの実践の交差点から、映像、写真、音を用いた話法を探究。著書に『ストリートの精霊たち』(2018年、世界思想社、第6回鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞)、映像作品に「Room 11,Ethiopia Hotel」(イタリア・サルデーニャ国際民族誌映画祭にて「最も革新的な映画賞」受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林克也
2
アフリカを「アフリカ」と一言で括ってしまうことは、当然できない。そこを川瀬さんは「あふりこ」と表現することで、ものや人や動物、そして精神世界が混ざり合いせめぎ合う世界を柔らかく表現したのだろうか。6編の物語はそれぞれに面白かったが、文学ではない分野の研究者の創った物語のためか、“読み物”としてはまだよくこなれてなく、空回りする部分がある気がした。この5人のアフリカ研究者は、アフリカの何に惹かれて?魅かれて?その道に進んだんだろうか?そんなことも気になった。2020/02/23
kana0202
0
新しい民族誌のかたち、ぼくたちはこんなふうにアフリカを、あふりこをとらえられる。実験的な文体として思考を止めてはいけない。ぼくたちのとらえる風景、現象は私という膜を通じて、創造/想像的にしかとらえられない。新しい真のリアリズム。 本の装丁も丁寧で、しっかりそれぞれの著者の目指すものに沿っている。 衝撃的な著作。同時代に出会えたことに感謝、謝謝。2020/01/19