出版社内容情報
「楽園バリ」のイメージはいかにして演出されたか。西欧による「発見」とバリの「自覚」との複雑な衝突と融合のなかに楽園イメージ誕生の過程を詳細に追い、その背後の忘却された社会体制の深刻な変動、島民の不幸と苦難の歴史までを克明に描き出す。
・「欧米諸国の植民地主義やインドネシアの国家戦略における位置づけを分析する、島民自身の「バリ島」観の変容にも光をあてて、興味深い。バランスのとれた視点で読ませる力作だ。」(日本経済新聞 2001.12.10 短評)
内容説明
「最後の楽園」バリ。そのイメージはどのようにして創られたか。西欧による「発見」とバリの「自覚」が織り上げた「楽園」の歴史物語。
目次
序章 イメージの島、バリ
第1章 野蛮なるバリ
第2章 バリ人のバリ・イメージ―黄金時代から征服まで
第3章 「楽園」バリの誕生
第4章 苦境に立つバリ―1908年~1965年
第5章 インドネシアのバリ
著者等紹介
ヴィッカーズ,エイドリアン[Vickers,Adrian]
オーストラリア,ニューサウスウェールズ州のタムワース生まれ。シドニー大学で1980年に学士号(BA Honours)、1987年に博士号(Ph.D.)を取得する。インドネシア・マレーシア研究学科に提出した博士論文は、バリ、ジャカルタ、オランダ、アメリカでの綿密な調査の成果である。シドニー大学、ニューサウスウェールズ大学でインドネシアの歴史、言語、文化などの教鞭をとったのち、現在はウーロンゴン大学、歴史学・政治学プログム準教授。近年の業績としては、多数の論文のほか、『Travelling to Bali:400 Years of Journeys』(Kuala Lumpur:Oxford University Press,1994年),『Being Modern in Bali:Image and Change』(編著、New Haven:Yale University Southeast Asia Studies,1996年)などがある
中谷文美[ナカタニアヤミ]
1963年、山口県生まれ。(財)京葉教育文化センター勤務を経て、1990年オックスフォード大学社会人類学修士課程修了、1995年同大学博士課程修了、人類学博士(D.Phil.)取得。現在岡山大学文学部助教授。専門は社会人類学、ジェンダー研究
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Leonard