出版社内容情報
人間を主語=主体とする近代の知識体系から地球環境を主語とする認識論的跳躍をとげ,「場所環境」の概念を基本軸とする環境設計の原理と方法論を提示する。環境のサスティナビリティを価値基準として,環境か開発かの二者択一を超える限界突破の書。
本書での私の言述は、環境をめぐるさまざまな学問的状況と大学システム、さらに企業的状況の停滞・混迷にたいして、知的な関係を<地球環境>と<場所環境>との間に正しく確立しておくことである。
「地球にやさしく」「地球をたいせつに」云々というスローガンやコピーは人間が主語のまま、人間の態度や意識が変わることをうながしている近代的言術である。こうした思考の意向から、地球から環境は少しもかわらない。主語は「人間」ではなく「地球」がなることであり、述語は「場所」が意志をあらわすことであり、、この主語=地球と述語=場所と結ぶのが生命であるというディスクールをプラチックの域で検討していくことだ。(「はじめに」)
・「図書新聞」98.1.24 陣内秀信氏評
・「週刊読書人」97.12.5 内田隆三氏評
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【関連書籍】
『 正当化の理論 』 ボルタンスキー、テヴノー著 (定価6510円 2007.2月)
『 ホスピタリティ原論 』 山本哲士著 (定価5000円 2006)
『 利他性の経済学 』 舘岡康雄著 (定価2940円 2006)
内容説明
地球を主語、場所を述語的意志とする、環境設計学の基礎と指針。これからの生活界を創出すべく、近代社会設計原理をのりこえる新しい思考と理論を、「文化技術」と「場所」の論から切り拓く、哲学設計・学問設計と社会環境設計の書。
目次
1 地球環境学の学問設計(地球環境学の学問フィールド―環境プラチック理論;地球環境戦略研究の哲学設計―場所主体の環境設計学へ;超領域的文化科学の設計学)
2 場所の社会環境設計(社会技術と象徴資本;近代を超える社会環境設計;場所の述語的意志による社会哲学設計)
3 場所環境の文化設計(場所の文化技術;場所の述語的空間と場所主体;場所環境の哲学)