内容説明
江戸前期、新興町人層の旗手として浮世の諸相を幅広くとらえ、エネルギッシュに活躍した西鶴も、その実像はおぼろげにしか伝わっていない。本書は、西鶴の伝記をおいながら、好色一代男、好色一代女、武道伝来記、日本永代蔵について、具体的に精緻な読みと鋭い洞察を示し、問題の核心に迫った力作!
目次
第1部 浮世の認識者西鶴(作家以前の西鶴;天和期の西鶴;貞享期の西鶴;元禄期の西鶴)
第2部 作品への視点(『好色一代男』と『源氏物語』;『好色一代女』試論―そのしたたかな生と性;『武道伝来記』の時代設定;『日本永代蔵』の方法と読者の問題)