内容説明
日本の古代文学はどこに発生の基盤をもつか。共同体の幻想と伝承にみちた神歌・呪謡・神話など蒙々たる南島古謡の闇の中を、からだごとの実地踏査や数多くのテクスト・クリティークで具体的に探究しつつ、詩的直観による大胆な仮説と、緊密な論理考証で鮮かにあざなう。時代に先がけて展開された構造的な物語学、沖縄学の名著の増補新装版。
目次
亡滅の歌声
異郷の構造
叢の底から
南のうたの方へ
いずみを覓めて
シルエットの呪謡
英雄の死
寿と呪未分論
原古の再現ということ
歌謡のゆくえ
古代文学の誕生
附篇(「亡滅の歌」;日本神話と歌謡;南島古謡の魅力)
増補新装版附篇 文学の発生論と琉球文学