内容説明
本書ではすでに一応確立された熱平衡系近傍の非平衡統計力学について述べるだけでなく、現在発展しつつある、熱平衡状態からはるかに離れた状態での非平衡系の統計力学への序論も含めている。非平衡系に特有な概念を平易に説明するためにできるだけ基本的な事柄についてまとめ、考え方の枠組みを中心にして解説している。
目次
1 時間に依存した統計現象へのアプローチ(統計分布関数と時間相関関数;マスター方程式;ランジュバン方程式 ほか)
2 線形応答理論、射影演算子法およびモード結合理論(線形応答理論;熱的揺らぎのダイナミックス;巨視的運動方程式と輸送係数のくり込み)
3 非線形非平衡系における秩序とパターンの形成(相転移の臨界現象と秩序化過程;散逸構造)
4 カオス、乱流とフラクタル(カオスの発生と統計特性;乱流と多重フラクタル)