出版社内容情報
◆第七句集
『めるくまーる』は【作樋口由紀子・演出野間幸恵】で出来上がったものです。私にとっての「めるくまーる…◆第七句集
『めるくまーる』は【作樋口由紀子・演出野間幸恵】で出来上がったものです。私にとっての「めるくまーる」です。
(あとがき)
◆収録作品
ちょうど来た鯛 ちょうど来る正月
蓮根によく似たものに近づきたい
夕方は斜めに立つといい気分
困惑を眠らせている金盥
短いならば短いように舟に積む
老人は転んでしまう月の山
大きな家に入っていくのはどの蒲団
アフリカのダンスをしよう鳥が来る
前足はさもしいゆえに考える
筆順はまちがってるけど朝である
樋口由紀子[]
著・文・その他
著者等紹介
樋口由紀子[ヒグチユキコ]
1953年生。「晴」編集発行人。「豈」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あなた
2
「蒲団から人が出てきて集まった」「すべらないすべらないよう家の中」「今家に卵は何個あるでしょう」樋口川柳の世界において、家、というものはリスクが高い。家のリスクを計るのが現代川柳とも言えるかもしれない。ふとんからひとが出てくるし、あちこち無作為にすべりまくるし、卵をちゃんとカウントしなければ/しても無秩序状態かも。オズの魔法使いをもじれば「家ほどふあん/ふおんなところはない」になる。しかし身を守るすべはたぶんない。「前転で近づいてくる中近東」なにもしなくてもふあんとふおんはやってくる。2021/11/22