内容説明
ドイツ帝国創成の軍事力を支えたものが一般兵役義務であったが、本書では国民皆兵に伴う社会的な繋がりによって形成された様々な言説についてドイツ帝国内におけるその位置と変化を検討する。
目次
ドイツ第二帝政期における一般兵役義務言説
第1部 ドイツ統一戦争直後の一般兵役義務言説(義務・平等・安定―ドイツ統一戦争直後の帝国議会における一般兵役義務言説;比較のなかの軍隊―独仏戦争後の一般兵役義務とその正当化)
第2部 軍事テクノクラートの思考様式と軍事言説の急進化(軍事テクノクラートの世界内におけるフォルクスクリークと兵力動員―クラウゼヴィッツ『戦争論』を手掛かりに;「外敵」への対応と戦史叙述の政治化―コルマール・フォン・デア・ゴルツを中心に;「国内の敵」と「外敵」に対する二正面戦略―一般兵役義務をめぐる言説の転換と軍事雑誌上の言説の急進化;「外敵」に対する生存競争の道具としての精神―フリードリヒ・フォン・ベルンハルディを中心に)
補論 軍事的オリエンタリズム―ドイツ帝国における一般兵役義務と東洋言説
著者等紹介
中島浩貴[ナカジマヒロキ]
1977年北海道旭川市生まれ。2003年立正大学大学院文学研究科修士課程史学専攻修了。2008年早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。2017年博士(学術、早稲田大学)取得。現在、東京電機大学理工学部共通教育群講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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