内容説明
一八〇〇（寛政十二）年閏四月十九日に江戸深川から、伊能忠敬は蝦夷地（北海道）測量への第一歩を歩みはじめた。測量方法は、歩測による実測。その後生涯はすべて測量にささげ、ついに完成させた「大日本沿海輿地全図」は、現在の地図と変わらぬほど正確なものだった。幼くして算法に目ざめ、伊能家の当主として辣腕をふるい、家督を長男に譲った後に天文暦学を修め、地球一周にも等しい距離を実測し忠敬の生涯を、時代の流れと師高橋至時や測量を支えた人々とのつながりの中で描く。
著者等紹介
岡崎ひでたか［オカザキヒデタカ］
本名、岡崎英尊。東京生まれ。長年東京都の小学校で教職につく。その間に、『日本歴史紙芝居』シリーズや『日本歴史物語』（河出書房新社）などに執筆、児童文化と新しい歴史教育の接点に関わった。現在、日本健康太極拳協会の師範として、楊名時太極拳の指導に当たりつつ、船大工の一生『鬼が瀬の物語』をはじめ、歴史物語を中心に執筆活動を続けている。日本児童文学者協会会員、日本民話の会会員、同人誌「あっぷ」「じゅうしまつ」同人
高田勲［タカダイサオ］
島根県生まれ。小説、ノンフィクション、子どもの本の挿し絵を中心に活躍している。日本美術家連盟会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ～ 1件／全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
82
江戸時代に日本地図を作るため歩いて測量を行った伊能忠敬の生涯。ずいぶん前に井上ひさしの大作『四千万歩の男』を読んだことがある。その時は伊能忠敬の測量方法や測量に使った機材のことがあまる飲み込めなかったがこの本で改めて彼の測量技術に驚いた。今の時代ＧＰＳがあってどこへ行っても自分の居場所がわかる時代。しかしもし自分の家の近くの距離や面積、位置を知ろっとしたらこれは多分出来ないと思う。いかに考えたり知ろうとすることに消極的な自分を含めた現代人のことを考えてしまった。児童書で読みやすい。図書館本2018/12/21
おはなし会 芽ぶっく
12
27年度６年生教科書掲載（参考） 幼いころから算法（数学）にたけていた伊能忠敬。50歳の時、天文歴学を学び、地図製作を始めたのは55歳。以来72歳まで地図製作をし、歩いた距離は35000キロを越したそうです。地球１周分！2015/06/19
おはなし会 芽ぶっく
11
６年生ブックトーク授業【戦争・平和・伝記】伝記は、伊能忠敬を後日国語の単元で学習するので、教科書で紹介されていたこちらの本を選書しました。2022/07/13
おはなし会 芽ぶっく
10
6年生ブックトーク授業【テーマ 伝記】冬休み前のブックトークで、長めの本を読んでもらったので、今回は絵本を中心に選書。伊能忠敬に関しては国語の単元で学習するので、教科書で紹介されていたこちらの本も選書しました。2020/01/22
あんちゃん🐳
10
読書感想文用に息子が借りてきた本が気になって(*^^*)。伊能図の写真資料、10次に渡る測量行程図、主な測量法の解説など、資料が充実。測量法というものを全然知らなかったが、理屈だけでいうと案外シンプルで、それがかえって驚きだった。要はその測量法で、どこまで誤差をなくせるかという血のにじむような努力と、気の遠くなるような作業の連続なのだろう。児童書ということで、特に忠敬の人となりが詳しく書かれているが、いつまでも夢を持ち続けた信念の人、挑戦に遅いということはないというメッセージが、中高年には刺さるなぁ。2018/07/31
