出版社内容情報
ブラドキーは米国の小説家・批評家。1993年にエイズを発症し、1996年1月に死んでいる。本書は、死の直前まで、「死にゆく自分」を鋭い観察力と透明な筆致で記録した特異な自伝(雑誌『ニューヨーカー』に連載)。作家の目に写るのは、死の確定によって時々刻々変化する内面世界だ。著者の心は、つかのまの恢復に喜びを感じたり、回転しつづける頭脳と衰えてゆく体力の狭間で揺れ動く。『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー』でも絶賛。
内容説明
本書は、小説家である著者が、その解剖学的とさえいえる精密な観察眼と描写力を、自分自身を対象に駆使して書いた自伝である。そして原題にあるように、テーマは「わたし自身の死の物語」―エイズ患者となった自分の内面世界の克明な記録である。