内容説明
著者は、特定の理論や技法に拠ることなく、生活事象のすべてを実践場面で活用する臨床家であり、また一方で、比類のないメンターともいえる希有の存在である。本書は、語る者によって実に多彩な姿を現す、村瀬嘉代子という臨床家を読み解くための、また、村瀬流儀の心理臨床の在り方を多方面から浮き彫りにしようと試みた、またとない解説書ともなっている。心の援助者としての基本的態度、理論や技法の適切な用い方、真に必要とされる臨床の智恵とは、クライエントの声なき声に応える心理臨床の営みとはどういうものか、あらゆる心の臨床課題にこたえる珠玉の論考と、著者ゆかりの人物技量共に卓越した臨床家たちによるさまざまな挿話によって綴る、村瀬嘉代子ワールド。
目次
臨床心理の在り方について―子どものこころに出会う
看取るこころと看取られるこころ
統合的心理療法のすすめ―個別的にして多面的アプローチ
心理的援助と生活を支える視点
子どもが心理的援助を受けるということ
自閉症児への統合的アプローチ
心理臨床と被害者支援
生きられた時間を求めて
書評 臨床家のためのこの一冊
事例検討会から〔ほか〕
著者等紹介
村瀬嘉代子[ムラセカヨコ]
1959年奈良女子大学文学部心理学科卒業。1959‐1965年家庭裁判所調査官(補)。1962‐1963年カリフォルニア大学大学院バークレイ校留学。1965年大正大学カウンセリング研究所講師。1984年同助教授を経て、1987年より、同教授。1993年より、大正大学人間学部並びに大学院人間福祉学科臨床心理学専攻教授。臨床心理士、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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