出版社内容情報
視覚障害者・河野さんが“見て”“生活して”いる世界はどんな世界なのだろうか。河野さんの楽しい生活に触れ，理解できる読み物。
目次
０ 私がイメージできること、しにくいこと（本を読みながら；心に映った風景 ほか）
１ 聴覚で見ている世界（駅のチャイム；命がけの道路横断 ほか）
２ 触覚で見ている世界（ボタンの見分け方；カード社会を生きる ほか）
３ 嗅覚で見ている世界（嗅いでびっくり；お店の匂いで曲がり角が判る ほか）
４ 捉えられないけれど、感じること（人の雰囲気；夢の中でも目は見えない ほか）
著者等紹介
河野泰弘［コウノヤスヒロ］
１９８０年アメリカカリフォルニア州に生まれる。３歳で日本に帰国。２００６年中央大学文学部卒業。現在、盲ろう者向け通訳・介助者として活躍中。また都内小学校にて相談員として活動している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黎
2
少し前に伊藤亜紗さんの「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を読んだのでそれに重複することもありました。 まず最初のページの墨字に圧倒されました。 それから、映画を見る、本を読むなど私たちの言葉で生きている、というのが生で伝わってきました。見えていないのに抽象的な言葉より具体的な言葉の説明が目立ち私よりも説明が上手だなと思いました。ただ、人の雰囲気の話はやはり言葉で言い表せないものもあるんだと改めて感じました。宇宙を“感じた”という話は印象的です。2019/06/02
サランラップ
2
この人は見えないなりに人生を楽しめるような考え方をして生きていてすごい。写真の見方、駅の歩きかた（階段の場所を音で知らせてる）などはとくにおぉ、そうだったのかと新しい世界が広がりました。視能訓練士、学費あればなってみたい。こういう人たちの力になってみたい、そう思う本でした。2015/09/25
まぶ
1
先天性全盲の方が自分の生活を描いた本。全盲で普通学校通って大学受験して一人暮らししてるって凄い以外の表現が出てこない。本人の努力もそうだし、そこに至るまでの家族やそれ以外のサポートがいかほどあったろうか。同情ではなくこの社会で全盲で生きいく中では苦しいこともあったと想像するが、文章からはそれが全く感じられない。晴眼者にとっては驚く世界。2017/10/15
kokekko
0
パラスポーツ等、目の見えない人に取材した本を読んできたが、実際に見えない人が綴ったルポは初めて読む。とても文章が読みやすく、ああこういう感じなんだなと思いながら読むことができる。「アザラシが想像できない」等、見えない世界を想像することは細部になればなるほど難しく、どこまで同じでどこまで違うのかと考えること自体が野暮に思えてくる。認識はひとりひとり違う。私たちはみんな、同じ世界を生きているという巨大な『錯覚』の中にいるのかなと、ふと思った。2020/03/01
