内容説明
児童文学の古典が、「チビクロさんぽ」として復活。主人公はチビクロという名の子犬。改作者は、「森まりも」氏こと心理学者の守一雄氏。しかし、…「心理学者がみな賛成というわけではない」と、電子メールを使った徹底討論が行われた。企画者は、東京大学教育学部の市川伸一氏。心理学者と学生を中心に賛否両論がとびかった。1か月間の激論を臨場感そのままに編集。読後コメンテーターとして、きたやまおさむ・中山千夏・日垣隆・灘本昌久の諸氏を迎え、巻末に寄稿コメントを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
時雨
1
ちびくろサンボ関連の読書はこれでひとまず打ち止め。/心理学者・守 一雄氏の筆名による改作『チビクロさんぽ』をテーマに、東大「討論の心理学」ゼミのメーリングリストで1998年2月の約1ヶ月続いたディベートの模様を収録。議論にはゼミ生のほか他大学の有志、改作者の守氏本人や版元の担当編集・関氏も参加しているが、まあ議論の錯綜していること。注や用語解説が充実していて心理学の門外漢でも読みやすく、その後の応答も収録するなど親切な作りだが、内容は原作『サンボ』絶版の経緯などの予備知識を欠いた浅い議論が目立ち、残念。2021/01/26