内容説明
「生きてきた苦悩」だけではなく、「生きる強さ」を見つけていく。精神科医として、ADHDをもつ子どもたちとその家族の「生活」にまなざしを注いできた著者が語る、臨床的視点と支援のかたち。
目次
1 ADHDの登場(絵本にみる「落ち着きのない子」;ADHD概念のあゆみ ほか)
2 ADHDのいま(障害を規定するもの;アメリカの保険制度との関連 ほか)
3 アセスメント・診立て(主観的アセスメントと客観的アセスメント;ADHDの評価スケール ほか)
4 ADHDとともに生きるために(語りを聴き続けるなかでの治癒;治療の柱 ほか)
5 「生きづらさ」の複雑多様な背景(ADHDは多様異種性;アタッチメントの問題という視点 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じゃがたろう
1
講演内容をもとに書籍化。このことも影響しているのかもしれないが、とても読みやすい本。ADHDの歴史的背景や症状理解、臨床経験に基づくトリビアが散りばめられていた。個人的にはアメリカの保険制度との関連や絵本に登場する落ち着きのない子が興味深かった。ADHDやASDなど診断を下すのは容易ではないということが伺えた。患者側はすぐにでも知りたい、診断をしてほしいというニーズの高まりもありドクターショッピングを繰り返してしまう、そんな臨床場面の一幕も伺えた。支援に際して丁寧な聞き取りが欠かせないと改めて感じた。2023/04/02
みみこ
0
発達障害は脳の機能障害で育て方の問題ではないと言うものの、経済格差や環境因は確実に影響を与えている。医療や教育がどこまで彼らを救えるのか。2019/10/18