ファミ通文庫<br> “文学少女”と繋がれた愚者(フール)

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ファミ通文庫
“文学少女”と繋がれた愚者(フール)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784757730847
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「ああっ、この本ページが足りないわ!」ある日遠子が図書館から借りてきた本は、切り裂かれ、ページが欠けていた―。物語を食べちゃうくらい深く愛する“文学少女”が、これに黙っているわけもない。暴走する遠子に巻き込まれた挙句、何故か文化祭で劇までやるハメになる心葉と級友の芥川だったが…。垣間見たクラスメイトの心の闇。追いつめられ募る狂気。過去に縛られ立ちすくむ魂を、“文学少女”は解き放てるのか―?大好評シリーズ第3弾。

著者等紹介

野村美月[ノムラミズキ]
福島出身。幼い頃より「物語」を作るのが好きで、作家を目指す。『赤城山卓球場に歌声は響く』で第3回えんため大賞小説部門最優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とら

125
誰もが、過去に何かを失敗したりして、それが縛りとなって今でも心に残っている様なことがあるのかもしれない。けれど、そういう失敗や後悔を思いっきりしてみて、それからまた踏み出せば良いじゃないか、だから失敗をそんなに気にする必要は全く無い。”失敗”の後は”再生”なのだ。今巻は、武者小路実篤の「友情」が題材。ただ単に「友情」を引用してるだけじゃなくて、アレンジというか何か工夫がなされていて面白いです。まあ「友情」読むの自体初めてだけどw古典って良いですね。最後の芥川君の手紙が凄い気になった!早々に次読みたいです!2011/11/05

まりも

124
再読。「武者小路実篤」編。文化祭で演劇をやることになった文学部一同と心葉の級友芥川。過去に囚われた、心に闇を抱えた彼らの成長を描いた話。心葉と芥川、過去に縛られ前へ進むことが出来ない2人が、それでも必死にもがき苦しみながら友達になっていく姿は何度読んでも感動しますね。文学少女シリーズはどの話も好きなんだけど、一番登場人物たちの心に深く感情移入出来るのは、繋がれた愚者編かもしれません。最後の最後まで伏線も散りばめられていたりと、今後の物語に大きな影響を与える1冊でもあるんだよなぁ。次巻も読みます。2016/10/17

マーム

117
今回のお題は武者小路実篤の『友情』。シリーズも第3弾となり、心葉を苦しめる過去の呪縛が少しずつ明らかに。そして、いつにもまして遠子が頑張っていた巻でした。特に最後の独演は圧巻。「一度、断ち切らなければ、踏み出せない未来もあるわ」という遠子の言葉は、そのまま心葉に向けられたもの。遠子に励まされ、ようやく心葉も前向きに生きていこうと再生してきたと思いきや、最後に出てきた人物の名前に唖然としました。このシリーズは叙述トリックを使っていたのか?という驚き。謎はさらに深まり、物語は大きく動き出しそうな予感です。 2011/09/09

ちはや@灯れ松明の火

109
三角形は残酷な形をした図形。頂点同士を結ぶ辺は一途な気持ち、友と、想い人と、自分自身へと突きつけられる鋭い角は刃。一途であろうとするほど深々と突き刺さり心を抉り取る。穏やかな瞳の奥で今も燻ぶり続ける紅く染まった叫び、悔やんでも取り戻せない選択肢、すれ違い軋み壊れていく絆。過去に囚われ繋がれたまま、一歩も動けずに。けれど、縛めを解き放ち愚者は歩き出す。苦しみを覚え、憤りを感じ、哀しみに震え、痛みを知り、独りに怯え、その更なる先で新たな未来を見出して。いつか、繋がりが描く三角形を美しい形だと思えるように。 2011/04/11

Yobata

106
図書室から借りてきた本が切り抜かれていた遠子は憤慨し張り込みによって犯人を捕まえる。その犯人とは心葉のクラスメイトの芥川君だった。その直前に更科さんという芥川君の彼女を名乗る少女から芥川君の女性関係を相談されていた心葉は芥川君は誰かをかばっていると想像する。そこに遠子が文化祭で文芸部が劇をすることを決め、芥川君にも参加することを進める。また自分勝手に進め始めた遠子の暴走にウンザリする心葉だがそれにより誠実だと思っていたクラスメイトの心の闇が浮き彫りになってくる…。今回のテーマ本は武者小路実篤の「友情」。→2013/09/04

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