内容説明
イラクの人質解放の背景にある事情とは?ブッシュの「大中東構想」のねらいとは何か?イラクの混乱と復興の芽を歴史の軌跡にもとめる試み。
目次
序章 自衛隊派遣とフセインの拘束―戦争は終わったのか
第1章 選択の戦争か、必要の戦争か―イラク戦争とアフガン戦争の違い
第2章 イラク戦争理解の補助線―偶然の産物か、必然の選択か
第3章 イラク戦争の歴史的原因―語られた理由と語られなかった理由
第4章 イラク復興プロセスと日本外交―イラク人の主権回復を目指して
第5章 ユーラシアのアメリカ化現象―イラク問題をめぐる日米関係の齟齬
第6章 イラク戦争後のテロリズム―中東新秩序への障害
第7章 アラブの未来―「帝国」へのノスタルジア
第8章 新しい中東の可能性―イスラーム世界の民主化のために
終章 日本の中東外交とソフトパワー―交流と対話をめざして
著者等紹介
山内昌之[ヤマウチマサユキ]
東京大学大学院総合文化研究科教授。1947(昭和22)年札幌に生れる。1971年北海道大学文学部卒業後、カイロ大学客員助教授、東京大学教養学部助教授、トルコ歴史協会研究員、ハーバード大学客員研究員などを経て1993年より現職。学術博士。国際関係史とイスラーム地域研究を専攻。1986年に『スルタンガリエフの夢』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞、1991年に『ラディカル・ヒストリー』(中央公論社)で吉野作造賞、2001年12月には『納得しなかった男』(岩波書店)などで司馬遼太郎賞、2002年11月に『岩波イスラーム辞典』(共編著、岩波書店)で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞
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