出版社内容情報
人はなぜ時代を超えて「調和」について語りあうのか?
「調和する」色の組み合わせとは何か?アリストテレス、ニュートン、ゲーテ、シュヴルール、マンセル、ダ・ヴィンチ、ドラクロワ、モネ、ゴッホ、マティス、モンドリアン、イッテン、アルバースなど、歴史上の学者やクリエイターたちが、それぞれに導き出した「美しい配色」のしくみを、豊富な図版で解説した決定版。
内容説明
アリストテレス、ニュートン、ゲーテ、シュヴルール、マンセル…歴史上の学者・アーティストに学ぶ「美しい配色」のしくみ。
目次
1 調和論の萌芽(アリストテレスの色彩調和論;ダ・ヴィンチの色彩調和論)
2 色彩調和論の歴史(色彩調和論誕生―その時代背景;ニュートンの色彩調和論 ほか)
3 絵画と色彩調和(ドラクロワの色彩;ターナーの色彩 ほか)
4 PCCS(日本色研配色体系)と慣用的配色技法(PCCSの概要;配色の基本的な考え方 ほか)
5 歴史を刻んだカラー・デザイン(景観の色彩調和;建築の色彩調和 ほか)
著者等紹介
城一夫[ジョウカズオ]
共立女子学園名誉教授。専門は色彩文化・模様文化の研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ykmmr (^_^)
114
「昔はどのように絵を描いていたのか?」という単純な疑問を昔から持っていた。今のようなハイテクな機器なんてないしね…。なーんて。もちろん、時代に合った絵をつくっていたし、ダ・ヴィンチやミケランジェロなどの『天才』の役割は重要と言うのはわかっている。それ以外にこの本に書かれている事とは、その時代毎に使われている画材器具や色味で色彩感覚が築かれていたこと。同じ色でも、『色合い』で様々な視点が出来る事。『色彩』にも『理論』や『哲学』があり、その研究の過程や成果など。2022/05/15
koke
14
ドラクロワもセザンヌもマティスも補色を隣に置く。西洋絵画はやたらと補色の対比を好むが、色彩理論からしてそうらしい。自分もいつの間にか影響を受けていたと思う。それでも色相とトーン(彩度・明度)の二軸で調整すれば大丈夫、との気づきを得た。主観と客観の間で揺れる色彩論の歴史は時にカオスで、カンディンスキーとか何言ってんだろうと思うこともあるが、ますます絵画鑑賞が楽しくなりそうだ。2023/06/15
植岡藍
5
色彩が哲学、科学の一要素であった時代から遡りその意義や意味を問うようなスタイルが面白い本。音楽との関連や調和や対比への分析など興味深い。個人的には12、あるいは24といった音楽との関連を感じる色相環など、とりわけ考えてみたい内容だった。2020/08/19
山のトンネル
4
The 色の教科書!!!色彩理論だけでなく、絵画の色彩解説を論理的にするなど、理論から色を学びたい人にも分かりやすい本。本書を読むことで美術館に行ったときに、絵の配色から作品を解釈できるかも。(スキミング)2021/04/29
ききき
3
西洋での色の調和の研究が音楽の調和を基に始まったことや色とは何かの発見、色彩の研究の歴史から画家の色の解釈など配色というよりは色の研究の歴史をざっくり垣間見れるという感じ。カラーサークルも誰の理論を基にしているのかによって異なることや、純色と白・黒の関係性をさまざまな研究者の視点から見れたので面白かった。最後の景観や建築デザインの中の色彩についての章は若干尻切れで投げっぱなし感があり地域性による湿度の違いや色々な文化の色に対するイメージなどがあるともっと良かったかな〜という印象でした。2020/08/14