国家とはなにか

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784753102426
  • NDC分類 311
  • Cコード C0010

内容説明

国家が存在し、活動する固有の原理とはなにか。既成の国家観を根底から覆し、歴史を貫くパースペクティヴを開示する、暴力の歴史の哲学。

目次

第1章 国家の概念規定
第2章 暴力の組織化
第3章 富の我有化と暴力
第4章 方法的考察
第5章 主権の成立
第6章 国民国家の形成とナショナリズム
第7章 国家と資本主義

著者等紹介

萱野稔人[カヤノトシヒト]
1970年生まれ。2003年パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了(パリ大学哲学博士)。東京大学大学院総合文化研究科21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」研究拠点形成特任研究員および東京外国語大学外国語学部非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

17
日本国内で出た国家論として、最高水準の本。どんな国家が正しいか、間違っているかという価値判断を一切抜きにして、国家はどういうメカニズムで動き、どう生まれどう形成していくかを純粋に考察した、最もクールでリアルな国家論。萱野さんは国家を、正統性と合法性を持った暴力の主体、つまり一番強くて大きくてみんなからそこそこ受け入れられたやくざのようなものだと捉えている。この単純な規定から権力、暴力、富、ヘゲモニー、ナショナリズムと各種概念を切れ味鋭く解読し一貫した流れで構成する手腕は目を見張るものがある2011/11/03

またの名

13
フランス現代思想を専門にしつつ「未だおフランスに幻惑されている日本論壇」を非難したりとなかなかトリッキーな言論を展開している、人気若手論者の硬派な理論書。従来の左翼やポストモダンな表象文化論がテキトーにテンプレで批判してきた国家について根本から考察し直し、暴力の独占と富の我有化のプロセスによって説明する論述も、現代思想(つまり左翼やポスモダ)御用達のベンヤミン、フーコー、シュミット、スピノザ、アルチュセール、ドゥルーズ&ガタリといった難解な思想を援用しているのに非常に明快。実は相当トリッキーで奇抜な芸当。2015/05/22

もJTB

8
議論内容は常に国家と暴力との関係について語っている。でも手法としては、今後も人文知に触れる意志のある人がおいおいつまづく事になるような現象を先回りして教える本としても書かれている。だからこの本を読んだら読む前よりもアレントやベンヤミンを混乱せず読めるように、ドゥルーズの言葉廻しが分かるように、フーコーのコンセプトを追えるようになっている。この、手法と内容で別の事を実践してるのに本としては一つになってるスタイルがまさにフランス現代思想ゆずりだなーと思う。2013/04/13

politics

4
暴力を通じた権力の実践と、権力を通じた暴力の実践の複合体として国家を定義し、あくまで「暴力装置」という観点で考察された国家論。ウェーバーからフーコー、ドゥルーズ=ガタリなどフランス現代思想まで駆使して考察されていて大変示唆に富む。中間部に位置する章では、国家=国民国家の陥穽を批判し、一般的な国家と国民国家の違いを説いていく部分は現代でも有益だと感じる。哲学的考察で成された国家論としては今なお大変重要であることは間違いないので、国家について興味ある方には必読である。2021/08/29

takao

3
ふむ2024/03/10

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