内容説明
動物の気持ち、愛しむ言葉。北国からの動物記。
著者等紹介
竹田津実[タケタズミノル]
1937年、大分県生まれ。獣医師、写真家。1963年より北海道東部の小清水町農業共済組合家畜診療所勤務。1970年、同診療所所長。傷ついた野生動物の保護・治療・リハビリ作業を行いながら、キタキツネの生態調査を続ける。2004年より、北海道東川町に移る。映画「キタキツネ物語」企画・動物監督。写真集、エッセイ、絵本のテキストに多数の仕事がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遠い日
9
竹田津先生のエゾシカ観察絵本。写真が美しい。エゾシカが大移動するらしいと知り、群れを追いながらの観察研究をまとめたもの。角の生え代わりは知っていたが、袋角が柔らかく血流を感じる温かいものだとはびっくり。オスの体の変化、出産する母鹿、そして人間の無知によるお節介保護など、魅力的な観察記でした。2017/08/03
kazu_tea
7
エゾシカの大移動を中心に1年間の生態を紹介した本。エゾシカが大移動するとは知りませんでした。写真も文章も多めで一気に読み語るのは少し大変なのですが、読んで良かったなと思えるシリーズだと思います。2013/07/05
そのじつ
2
美しい写真と平易な文章で構成された、エゾシカの1年をつづった本。獣医の竹田津実が越冬のために大移動をするエゾシカの群を追い、その生態をあかしてゆく。牡鹿の角の変遷や群の役割などの知識を得られる事以上に、筆者の生き物に向ける愛ある眼差しに感化されるのではないか。北海道の自然と野生動物のしなやかな美しさを味わえる写真も良い。3年生くらいなら自分で読めるはず。動物に関心のある子どもにもお勧めの一冊。2012/01/04
ホリー
1
300キロも移動するエゾシカの一年を、生き生きとした写真と簡潔なやさしい文章でつづる。 シカが10年ほどでオオイタドリを食べつくしたくだりで、「そこに住む生き物は、植物など、まわりの環境を変えて生きてゆくしかないのでした」と書かれており、目が止まった。それは生き物の宿命なのだ。 だが、人間の影響は大きすぎると感じた。「森や草原には、人間が、自分たちに役立つものばかりを植えています。その分、シカたちの好む木や植物のある天然林や海浜草地がせまくなり、一か所に、どっとあつまってくるようになったのです。」2023/07/25
しの
1
エゾシカは、渡り鳥みたく、春と秋に移動するなんて、知らなかった。2020/12/16