目次
日本による中国占領統治とキリスト教政策
1部 政策(中国占領地域に対する日本の宗教政策の形成―キリスト教政策を中心に;日本国内における宗教政策と中国政策の関連)
2部 組織(中支宗教大同連盟をめぐる諸問題;「中華基督教団」をめぐる諸問題)
3部 人物(楊紹誠とその生涯;日本人キリスト者と中国)
中国占領地域における宗教政策の諸相
著者等紹介
松谷曄介[マツタニヨウスケ]
1980年福島県生まれ。2003年国際基督教大学(ICU)教養学部卒業。2007年東京神学大学大学院神学研究科修士課程修了。日本キリスト教団八幡鉄町教会牧師(~13年)。2012年北九州市立大学大学院社会システム研究科博士課程単位取得退学(2013年、博士号(学術)取得)。2013年香港中文大学崇基学院神学院栄誉副研究員(~16年)。2014年日本学術振興会海外特別研究員(~16年)。2016年日本キリスト教団筑紫教会牧師(~現在)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
17
日中戦争期、日本の中国占領統治における宗教政策の形成過程と、日中双方のキリスト指導者たちの行動や思惑が描かれる。日本は欧米キリスト教宣教師の中国民衆に対する文化的影響力を相当意識していたようだ。とりわけアドベント教会の中国人牧師の楊紹誠の生涯と、南京大虐殺から派生した避難民の保護にあたった南京国際救済委員会に日本人として唯一加わった日本バプテスト教会牧師、安村三郎の活動も印象に残る。中国占領統治に対する抵抗と協力の狭間に様々な諸相があり、本書はそれらを鮮やかに映し出した貴重な研究成果。2020/09/29