内容説明
「大学に属してませんけど、なにか?」在野の研究者に資格はいらない。卒業後も退職後も、いつだって学問はできる!最強の学者くずれたちによる現役のノウハウが、ここに結集。
目次
第1部 働きながら論文を書く(“政治学”職業としない学問;“法学”趣味の研究;“批評理論”四〇歳から「週末学者」になる;インタビュー1 図書館の不真面目な使い方 小林昌樹に聞く;エメラルド色のハエを追って;点をつなごうとする話)
第2部 学問的なものの周辺(“専門なし”新たな方法序説へ向けて;“民俗学”好きなものに取り憑かれて;“文学研究”市井の人物の聞き取り調査;センセーは、独りでガクモンする;貧しい出版私史;インタビュー2 学校化批判の過去と現在 山本哲士に聞く)
第3部 新しいコミュニティと大学の再利用(“専門なし”“思想の管理”の部分課題としての研究支援;“共生論”彷徨うコレクティヴ;“哲学”地域おこしと人文学研究;インタビュー3 ゼロから始める翻訳術 大久保ゆうに聞く;アカデミアと地続きにあるビジネス)
著者等紹介
荒木優太[アラキユウタ]
1987年東京生まれ。在野研究者(専門は有島武郎)。明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了。2015年、第59回群像新人評論優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もりやまたけよし
61
この本では大学の職を得なくとも研究をする人のマナーとかを紹介していますが、アンチアカデミズムという人もいたりする。まあ外野で楽しむのが一番だと思います。2020/02/06
R
55
在野研究という生き方を実践している人たちの寄稿やインタビューをまとめた本でした。特に研究者ではないけども、この生き方は楽しそうだなと羨ましくも思える内容から、学会に見るべきものがないという強い想いの発露なんかも含めて、読み応えが重い一冊でした。若干理系研究の話が多いので、期待したのと違ったのだけども、在野研究という分野が下支えになって花開くことも多々あるのだろうと、研究の意義について深く考えさせられた。面白い分野だ。2020/01/04
タナカ電子出版
50
勝手に研究はじめます✨研究とは勝手に始められるものなのか…また、何の利益になるのか?を少し提案したい。研究者とは条件も資格も存在しない、よって好きなときに好きなだけ研究すれば良い、研究費も発表の場も肩書も気にしない自分のためもしくは人類のためにすれば良い☺️そして利益のために研究してはいけない❕研究内容をどう扱うかは、研究者だけの問題ではなく、社会的問題でもある✨大量破壊兵器、最新医療の倫理的問題、テクノロジー、名もなき研究内容も同列なほど人類的資産と負債に扱われるべきと私は考える✴️2019/12/01
ころこ
48
タイトル通りで行けば第4章の方の文章が最も具体的で、アウトプットのレベルが高く、生き生きと書かれていて在野研究者の模範といえます。ところが、在野研究とはそれだけではありません。自己言及的になるため、どの文章も難しさを伴っています。その居心地の悪さが在野研究です。発信が容易になったことで趣味と研究は決然と異なるのか、という古くて新しい疑問が本書を必然的に成立させています。著者の文章も含まれている第2部は批評的で、「学校化による逆生産性」という議論が以前からあったことを知るだけでも本書を読む意義はあります。2019/12/11
香菜子(かなこ・Kanako)
43
在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活。荒木優太先生の著書。大学や研究機関、企業でお金をもらって研究している人だけが研究者、研究員であると決めつけるのは、視野の狭い世間知らずで傲慢で思い上がった考えなのかも。在野研究者として自分の好きなことを研究することにだって価値はある。世の中の全員が研究者、研究員になったつもりで生涯学習、生涯研究、研究生活をするような時代が来たら素敵なこと。2019/09/28