F.ベアト写真集〈1〉幕末日本の風景と人びと

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  • サイズ B5判/ページ数 199p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784750323695
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C0021

出版社内容情報

幕末から明治初期に滞在した外国人カメラマン、F.ベアトが横浜・江戸・長崎など日本各地で撮影した風景、風物・風俗全236点を収録。巻末には、解説「横浜写真小史」を付す。ベアト写真集の決定版であり、幕末日本を残した貴重な史料。

ごあいさつ(高村直助[高は口がはしご])
新装版の刊行にあたって
『幕末日本の風景と人びと』の刊行にあたって(斎藤多喜夫)
[写真編]
 1.横浜とその周辺
 2.金沢と鎌倉
 3.東海道
 4.箱根と富士
 5.江戸とその周辺
 6.琵琶湖と瀬戸内海
 7.長崎
 8.風物・風俗
[解説編]
 横浜写真小史 ―F.ベアトと下岡蓮杖を中心に[蓮は点が二つ]―(斎藤多喜夫)

ごあいさつ
 写真には時間を止めるという不思議な働きがあります。すでに存在しない風景や人々が、写真によって、それが存在した時点で切り取られ、眼前に蘇ります。古文書が過去の社会の仕組みや出来事を伝えてくれるのに対して、古写真は人々の動作や表情、生活の舞台や環境、道具立てを伝えてくれます。それによって、歴史に対するより正確で豊かな想像力を養うことができます。
 横浜開港資料館は、国際港都としての横浜が誕生する起点となった開港期を中心に、横浜の歴史資料を収集・保存・公開するための施設です。横浜では、大正12年の関東大震災や昭和20年の大空襲で多くの歴史資料が失われたため、資料を収集することは、失われた資料に代替する、あるいは補充する資料を探索し、発掘する作業をともないます。
 当館では、そうした作業の一環として、開館準備の段階から、古写真の収集に力を注ぎ、日本有数のコレクションを築き上げてきました。昭和62年には、そのなかでもとくに興味深い、F.ベアトの幕末の写真を選び、「写真家ベアトと幕末の日本」という企画展示を開催しましたが、それに合わせて刊行したのが本書の前身に当たる『F.ベアト幕末日本写真集』です。
 同書は刊行以降5回の増刷を重ね、約1万人の方々に購読していただきました。同書の全国普及版である明石書店の『幕末日本の風景と人びと』も3回増刷され、全国の多くの方々の手に渡りました。同書刊行以降も、当館では古写真の収集を続け、ベアトの作品もかなりの数追加することができました。そこで今年の4月26日から、新収資料を中心にベアトの作品を再度紹介する企画展示「外国人カメラマンが撮った幕末ニッポン」を開催しました。
 その際、当館と明石書店とで話し合いを行い、開港資料館版と明石書店版を一本化した新装版を刊行すること、及び第2集を共同で刊行することとしました。その結果、第1集の新装版として誕生したのが本書です。『F.ベアト写真集2―外国人カメラマンが撮った幕末日本』として刊行された第2集ともども、さらに多くの読者とめぐり合えることを願っています。

平成18年6月8日

目次

写真編(横浜とその周辺;金沢と鎌倉;東海道;箱根と富士;江戸とその周辺;琵琶湖と瀬戸内海;長崎;風物・風俗)
解説編(横浜写真小史―F.ベアトと下岡蓮杖を中心に)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

punyupunyu

14
東京、神奈川の写真が多いのかな?。当時の風物がよくわかる貴重な写真集でした。小田原の町並みは、まさに時代劇のなか。当時の人々は、現代人と比べて短躯ではあるが頑健な体つきをしています。剣道の作法は今と変わらないですね。立ち合いは真剣そのものだったのでしょうけれど。2015/02/03

nizimasu

5
写真美術館でのベアトの展覧会で俄然興味を持つ。幕末から明治の写真がここまで残っていること自体驚きだが、風景写真はその整然とした町並みと風景はさながら浮世絵の世界。そして、人物写真をみれば、100年という期間の重みをひしひしと感じる。ちょんまげにお世辞にもきれいとは言えない服装ーー。でも当時の住宅は清潔で家具が少ないという印象は渡辺京二先生の逝きし世の面影を思わせる。なんだか、気持ちが引き締まる写真集だ。ベアトさんの遺した日本の姿に感謝したい2012/05/06

Mizhology

4
図書館で遭遇。熟読!という表現は写真集になかなか使わないけど、二巻が開けないぐらい一冊でグッタリ。中味の濃い写真集です。歴史の教科書読むより当時をイメージ出来そうなくらい写真が訴えかけてくる。そしてベアトさん本人の感想がまた良い。私達は何人なのか?と思わせられる。150年でこうも変わるのかと本当に驚いた。浮世絵とは視点が違うのがありがたい。2012/07/02

yossy

2
某書店で『Fベアト写真集2』をかなり推していて気になったので図書館で借りました。『ベアト写真集1』は各地の風景が中心。100年以上昔の横浜や鎌倉、箱根、江戸、当時の様子がテレビの時代劇では決して感じられないリアル感で伝わってきます。 ベアトがこんなに鮮明な写真を残してくれなかったら私の中の「江戸時代」ってもっと空想の世界に近かったかも。2014/12/01

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