出版社内容情報
ゲイに対する抑圧の歴史を振り返りつつ、同性婚をめぐって二分化されたアメリカの社会と文化の現状を、突発的な事件としてではなく、アメリカの社会・文化変動の歴史のなかで起こるべくして起こった当然の事象と捉え、今後の展望を示す。
日本語版への序文
訳語と訳注について
序 なぜ結婚が問題となったのか?
第一章 ゲイ差別の遺産
第二章 ゲイの権利と市民権(シビル・ライツ)
戦後のゲイ文化と政治/一九七〇年代の新たな幕開け/エイズ・萎縮・再起(一九八〇~一九九〇年代前半)/一九九〇年代に幕を開けた新しい世界
第三章 結婚の変遷
基本的市民権としての結婚相手を選ぶ自由/よりジェンダー中立的で平等主義的な結婚/国や私企業の優遇措置を割り当てる主要な結合体としての結婚/結婚のルールを強要する権力を失いつつある宗教的権威
第四章 なぜ結婚が目標となったのか?
結婚の権利を求めた初期のゲイ運動/ゲイ解放運動とレズビアン・フェミニズム、そして結婚/エイズの衝撃/レズビアン・ベビー・ブーム/シャロン・コワルスキー事件に見るレズビアンやゲイ男性の交際関係の脆弱さ/ドメスティック・パートナーシップに向けた運動/ゲイ・コミュニティ内での論争の再燃/ハワイ州からマサチューセッツ州へ
第五章 歴史としての現在
結婚が意味したもの/「婚姻防衛法」によって防衛されるのは何か?/公民権(シビル・ライツ)と隔離主義神学/過去からの教訓/歴史としての現在
原 注
謝 辞
訳者解説
訳者あとがき
索 引
訳者あとがき
本書は、George Chauncey
Why Marriage: The History Shaping Today's Debate Over Gay Euqality(Basic Books
目次
序 なぜ結婚が問題となったのか?
第1章 ゲイ差別の遺産
第2章 ゲイの権利と市民権
第3章 結婚の変遷
第4章 なぜ結婚が目標となったのか?
第5章 歴史としての現在
著者等紹介
チョーンシー,ジョージ[チョーンシー,ジョージ][Chauncey,George]
1954年生まれ。イェール大学にて歴史学を学ぶ。Ph.D.(イェール大学)。20世紀アメリカの社会と文化、ジェンダーとセクシュアリティ、冷戦時の文化と政治などに関する歴史的研究を専門とする。現在、シカゴ大学歴史学科教授。今夏よりイェール大学歴史学科に移籍。アメリカのゲイ社会と文化に関する記念碑的著作、『ゲイ・ニューヨーク―1890~1940年のジェンダー、都市文化、ゲイ世界の形成』の刊行に対して、権威あるアメリカ歴史家協会やロサンゼルス・タイムズ社などから各種の出版賞を授与される。ソドミー法を違憲とする2003年のアメリカ連邦最高裁判所の画期的判決(「ローレンス対テキサス州判決」)では、歴史学者による法廷助言者報告書の作成で主導的役割を果たすなど、歴史学の立場から法廷においてもゲイ解放運動を推進している
上杉富之[ウエスギトミユキ]
1956年生まれ。東京都立大学大学院博士課程修了。博士(社会人類学・東京都立大学)。社会人類学・東南アジア地域研究専攻。国立民族学博物館助教授、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)客員研究員などを経て、成城大学文芸学部・大学院文学研究科教授。人類学の観点から先端的生殖医療が現代の社会や文化(特に親子・家族関係)に及ぼす影響を研究し、その関連から同性婚や同性カップル家族などについても関心を持つ
村上隆則[ムラカミタカノリ]
1972年生まれ。成城大学大学院博士後期課程修了。修士(文学・成城大学)。文化人類学・セクシュアリティ研究専攻。現在、成城大学民俗学研究所研究員。「同性パートナーの法的保障を考える全国リレーシンポジウム・東京シンポジウム(第1回)」(2006年)の運営スタッフなどとして、実践活動にも参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tellme0112
んあー
ありさと
Kana Akazawa