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世界の教科書シリーズ
韓国の中学校歴史教科書―中学校国定国史

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  • サイズ A5判/ページ数 370p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750321752
  • NDC分類 221
  • Cコード C0322

出版社内容情報

韓国中学校国定歴史教科書(2005年版)の翻訳書。韓国の歴史を写真やイラスト、グラフを用いて分かりやすく紹介するとともに、韓国人が学校教育の中で、日本についてどのように教育されているのか、日韓関係を韓国側がどう記述し、評価しているかを探る。

はじめに
1.わが国の歴史の始まり
 1.先史時代の生活
 2.国家の成立
2.三国の成立と発展
 1.三国の形成
 2.三国の発展
 3.新羅の三国統一
3.統一新羅と渤海
 1.統一新羅と渤海の発展
 2.新羅の動揺と後三国の成立
4.高麗の成立と発展
 1.高麗の発展
 2.武臣政権の成立
 3.モンゴルとの戦争と自主性の回復
5.朝鮮の成立と発展
 1.朝鮮の成立
 2.士林勢力の成長
 3.倭乱と胡乱の克服
6.朝鮮社会の変動
 1.朋党政治と蕩平策
 2.勢道政治と農民の抵抗
7.開化と自主運動
 1.興宣大院君の政治
 2.開港と開化運動
 3.東学農民運動と甲午改革
8.主権守護運動の展開
 1.独立協会と大韓帝国
 2.日帝の侵略と義兵戦争
 3.愛国啓蒙運動
9.民族独立運動
 1.民族の受難
 2.3・1運動
 3.独立戦争の展開
 4.国内の民族運動
10.大韓民国の発展
 1.大韓民国政府の樹立
 2.民主主義の試練と経済開発
 3.民主化運動と統一の努力
訳者注
付録
 1.歴代王朝の系譜
 2.国史

翻訳を終えて
 本書は『国定韓国中学校国史教科書』の翻訳である。前回の国定国史教科書と大きく変わった点は、「学習の整理」と「深化課程」「単元総合遂行課題」にあるといってよい。特に、後の二つは今回の教科書ではじめて取り入れられた。
 「学習の整理」は、まずその単元の簡単な整理をした後に、その単元で学習した内容と関連した活動をするようになっている。第10章(327ページ参照)を例にとって説明すると、「民主化運動と統一に向けた努力」の整理をし、その次に「探求活動」が位置づけられている。ここでは、「統一されれば、わが国の姿がどのように変わるかを想像して、文字や絵で表現してみよう」として、統一後の韓国の姿を予想させている。
 そして、「深化課程」では、民主化運動の際のさまざまな宣言が紹介され、二つのことを探求させている。その一つが「両親や知り合いを通して1960年代はじめと1980年代後半の政治的、社会的、経済的状況について調べてみよう」である。これは、今までにない取り組みである。つまり、身の回りの大人たちが民主化運動についてどう考えているかを調査させて、中学生にその運動の意味を考えさせようとしているのである。
 もう一つ教えられる。初等学校では、6学年の社会科のおよそ半分は国史を学習し、残りは韓国の政治と国際社会を学ぶ。中学校では、国史を、地理や政治経済、そして世界史などとは別に学習する。教科書も別になっている。高等学校では、さらに細分化され、国史は1学年で必修であり、前近代史の部分を学ぶ。そして、近現代史については、2、3学年で選択科目として学ぶので、全員が学ぶことにはなっていない。ただ、実際には学校選択という形で、全員に選択させている高校が多いといわれる。
 一方現実には、能力別のクラス編成や選択教科の拡充を前提として学校の教育課程が編成されることによって、さまざまな問題が起こっている。日本以上に高学歴社会の韓国では、進学指導に重点が置かれているため、受験が厳しくなっている。その中で、このような教育課程が実施されていくと、競争がますます激しくなり、ほんの一握りの子どもたちは受験競争に勝ち抜いていくかもしれないが、そこからはじき出された多くの子どもたちは学習の目標を失ってしまうことになりかねない。多くの韓国の教師たちが今、そうした学校や社会の現実をしっかり見つめ、実践していることに思いをはせる必要がある。
 さらに、本文の

目次

1 わが国の歴史の始まり
2 三国の成立と発展
3 統一新羅と渤海
4 高麗の成立と発展
5 朝鮮の成立と発展
6 朝鮮社会の変動
7 開化と自主運動
8 主権守護運動の展開
9 民族独立運動
10 大韓民国の発展

著者等紹介

三橋広夫[ミツハシヒロオ]
1951年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。千葉市立花園中学校勤務
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。